COCと独立経営<633>山守組内の仁義なき戦い – 関 匤

COCのPB会員に「ここのところ仕入れが下がって良かったね」と言ったら、「エネオスのSSが頑張りだして市況下がって困るのよね」と憂鬱そうでした。

世の中変わるもので、PBが系列店の安売りを憂えています。そこへ旧知のエネオス系の方から電話が入りました。「エネオス系なんか頑張っているね」と皮肉を言うと、「そんなことないよ。それより近所のまだエッソマークが頑張って困っているんだ」とこっちも憂鬱な声でした。

ティッシュ5箱に店頭値引きと数年前の元売直営スタイルで集約しているそうです。「支店が販促費出したの?」と聞いたら、きっぱりと「そんなの一銭も出てねえ!」。どうもSSが独自にやっているようです。

勝手な推測ですが、ブランド統合を前にして同系列内で顧客争奪戦が起こっている、のではないでしょうか。出光と昭和シェル系列でも一部に頑張る“あばれる君”が出現しています。再編後の地位向上を目指しているのでしょうか。

JXTG傘下では、旧エッソ系(TG系)セルフSSの集客は効果的と考えられます。SS数もカード発券枚数もエネオス系が五倍あります。一方、セルフ比率はエッソは二倍です。エッソSSはエネオス客を受け入れれば良いわけです。

100人を新規集客すれば、シェアで半分はエネオス顧客となります。これまた推定ですが、元売が再編すると「大きい方が取られる」という仮説が成り立ちます。

もっとも、元売にとってはバケツの中の嵐にすぎません。要は特約店間の顧客移動というか既存客の流動化が発生しているようなのです。

この構図は、山守組組織内で金子信雄、菅原文太、田中邦衛、川地民夫らが権謀術数、骨肉の抗争を演じた「仁義なき戦い」そのものです。さしずめ冒頭のCOC会員アドは、抗争の巻き添えで流れ弾に撃たれる“素人さん”です。迷惑な話です。

皮肉を楽しむ話ではなく、来春に出光新会社が発足すればJXTGと併せて80%が仁義なき戦いを演じかねません。

元売はスプレッド利益確定の方程式を捨てることはないでしょう。だから、抗争のケツ持ち=流通市場への介入で利益を損じるような動きに出ないと思います。

最近2年間の元売直営SS数を独自にカウントしてみたのですが、2グループ+3社で350カ所減少しています。利益を毀損する不採算SSの見極めを厳格に行っていると思われます。北関東で聞いたのですが、某社は「400㌔㍑」を足切りに2020年以降は一気に直営SSを整理するそうです。

系列・非系列格差が縮小し、事後調整も(表向きには)行われていないことで、流通業界のスプレッド(仕切りと市況の差額)は流動性を失っています。市況を下げれば即、利益減少確定です。

仁義なき戦いは、確実に同系列内を蚕食しながら「効率重視」が強まるでしょう。立地・設備のハード用件で、自然と競争優位が決定されていきます。

こういう恐ろしい人たちとは一線を画することのできる利益業態の開発。独立系は独立の自由度を最大限に発揮して、この道以外に戦略はないと考えています。

COC・中央石油販売事業協同組合事務局


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