COCと独立経営<644>SS業界のウェブ発信 – 関 匤

2日間にわたるCOCの新年研修会が終わりました。

お呼びした専門家の話はいずれも実に面白かったのですが、お話が参加した経営者の1人、2人の心の機微を捉えると懇親会や2次会で語り始め、参加者全員が化学反応することがあります。講師も本音でお話ししてくれるからでしょう。

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元売系列店はさらなる再編が気になるところでしょうが、PB経営者は石油取引の変化を理解しています。ガソリンよりも重要な経営課題に備えています。1つは10月の消費増税、1つは来年4月からの働き方改革、そしてキャッシュレスです。

この3つは下手をすれば市場退場を迫られるほど中小企業にとって重く、そしてすぐそこにあるテーマです。さらに3つは有機的に関係しあっています。知恵次第では成長エンジンに変わる可能性を秘めてもいます。だから中小企業でも、打てる手は打っておこうと動いています。

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ところでCOCに限らず、SS業界で気になっているのがウェブです。上場企業の元売は投資家やマスコミ向け対策として高額費用で様々なウェブ対応を行えます。しかし、多くのSS企業は他業界と比べてウェブ発信が弱いと思います。

幾つか思いつくままに有力企業のHPを見ましたが、更新頻度が低いのが気になります。メインページに「最新情報」が記載されているのが、2014年とか2016年のままになっています。

研修会にお呼びした労務で著名な社労士も指摘していましたが、人手不足を嘆きながらこれでは人を呼べないということです。今や応募の際にHPやSNSで会社を確認するのが当たり前です。更新情報のない企業は“2014年から企業活動が停滞している”と見られても不思議ではありません。職場の懇親会で楽しそうにしている画像があっても、それが数年前なら“この社員たちは現存しているのか”と疑われてしまいます。

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どうもSS業界は外に対する発信が苦手あるいは無関心なようです。それでいてチラシばらまきには熱心です。現世ご利益につながる集客やタイヤ増販キャンペーンには金を使っても、利益に直結しないウェブ発信に無関心なのでしょうか。ウェブの更新は面倒で直接利益を生みませんから。

しかし、油外でもたとえば車検時期の消費者は必ずウェブをチェックします。その時、リアルタイムの車検商品を告知する会社と、2014年から更新しない会社があればどちらを信用するでしょうか。消費者にとってウェブは企業や商品を比較対照するツールになっています。

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日本新聞協会加盟103の新聞社で購読部数は3682万部です。世帯購読率65%です。ただし103社合計であり、1社あたりの購読率はグンと下がります。チラシ効果も20年前に比べてかなり落ちているはずです。

一方、総務省調査でインターネット利用者は「人口比で84%」です。先の社労士によると、労務トラブルも事前に社員がウェブで知恵を付け、検索した弁護士やユニオンにウェブで問い合わせをしています。

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こういう時代なので1SSでもウェブ対応すべきと言っています。コスト不要のFACEBOOKもあります。更新を手間と考えずに、顧客や応募者への直接訴求と考えることでしょう。

 COC・中央石油販売事業協同組合事務局


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