COCと独立経営<649>ティッシュ不要でQR決済新規客 – 関 匤

元売系列POSは重武装されています。各種系列クレジット、一般提携、法人各種カード、プリカ、非接触IC読み取り…あらゆる決済を受け入れています。

そしてカード値引きに加えて、共通ポイントの供与に携帯でQRコードをかざすと自動値引きという機能もあります。中小企業が独自投資するPBのPOSでは、こと給油集客で勝負になりません。

さらに最近目立つのが、系列SSの「ボックスティッシュ販促」です。加えて、会員値引きとTポイントなど共通ポイントの倍付けも駆使されます。COCの某経営者も“PBには真似できねぇ”と嘆いています。

クレジット決済機能を持たないSSも少なくありません。ネックはPOS投資とPB向け決済手数料の高さです。需要縮小も投資に二の足を踏ませています。やはり、ガソリン依存ではない独自の収益軸が不可欠となります。

決済機能のあり方が、ここ何年かCOCでもテーマの俎上に上がっています。

ところが、決済市場に大きな動きが始まりました。スマホによるQRコード決済です。

QR決済は2010年頃から海外で始まりました。中国では当たり前のように利用されていますが、日本では最近になってジワジワ認識が広がりつつあるという状況でした。

ところが、昨年12月に「PayPay」が総額100億円規模で「20%キャッシュバック」を仕掛けました。社会問題も引き起こすほどの大反響となりましたが、これで一気にQR決済が社会認知されました。

PayPayは現在、5月末まで第2段の100億円キャッシュバックを展開中です。これが終了するとLINEPay、楽天Payが最高20%のキャッシュバックで応酬します。QR決済は10社以上が競合しながら、凄まじい物量作戦で加入者と加盟店を広げています。

また、東京五輪を控えて、政府が増税時の支援も絡めながらキャッシュレス化を進めています。政策の中心は中小企業です。そしてQR決済事業者のターゲットも中小企業です。

昨年10月のCOC研修会で専門家から詳細かつ興味深い話を聞きました。

やはり独立系です。すぐにQR決済に加盟してPayPay第1弾キャンペーンに間に合った人がいます。気が付いたらCOCで相当数がQR決済に登録していました。加入費、手数料不要です。ケースバイケースながら入金が最短で翌2営業日もあります。

そして決済が銀行口座以外にクレジットカードと紐付けも少なくありません。カード対応POSが無くても、QRコード1つで決済出来てしまいます。しかも手数料ゼロです。

最近、QR決済開始した経営者が驚愕しています。10日で100件超の「QR決済」があったからです。ティッシュもポイントも値引きなど持ち出しゼロ。無償で貰ったのぼり旗を3本立てただけです。

これで新規客が来るほど、社会認知の広がりと広告宣伝が効いているからです。若い女性客が多いそうです。

QR決済市場はまだまだ激しく動きます。系列重武装システムに対する、中小企業PBの小さなレジスタンスといった現状です。しかしこの先の伸びしろに期待しています。

COC・中央石油販売事業協同組合事務局


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