COCと独立経営<548> 前近代的な日本のSSチャネル構成-関 匤

資源エネルギー庁の石油精製・流通研究会に出る資料と議事録が、同庁HPで情報公開されています。
ある資料を見たCOC会員が感想をもらしました。「日本の石油業界は欧米先進国の周回遅れ。どこかの前近代独裁国家並みだね」。資源エネ庁調査による、日米英のSSチャネル構成比のデータでした。
米国は最大シェアのシェルが九%、以下EM、BP、シェブロン、コノコフィリップスのメジャー五社を合わせて三三%。その他独立系石油会社を含めて、日本でいう元売系列は四八%です。五二%がPBです。
英国でも、本家本元のBPとシェル合計で二七%。エッソやテキサコなど「外資」を加えて元売シェアは五三%。四二%がPBです。
対するわが国は、四月発足のJXTGだけで四二%、出光・昭和シェルで二二%。再編二社だけでSSシェアが六四%を占めます。PBは二五%です。二強元売に対する既存元売は一一%にすぎません。
完璧な二社独占体制ですが、公正取引委員会は統合を認めてしまいました。
米英は産油国であり、かつ欧州はロッテルダム、米国ではパイプラインのターミナルという国内外指標価格の牽制下で動いています。そして自己調達・流通能力を持つハイパーやコンビニなどジョバーの存在があります。
片やわが国石油元売は、国際市場での競争力はゼロというか競争もしていない(相手にされていない)のが実態です。つまり、国内市場だけで存立しているのが元売なのです。
何より、供給プレーヤーの数が違います。
米国ではメジャー始め消費者認知度のある元売が一五社以上あります。英国でも知名度の高いメジャー五社の他、統計としてハイパーやPBを含む二五のブランドがカウントされています。片や日本では二社で八〇%です。
その元売を大型再編に導いた資源エネ庁の高度化法と大型統合を承認した公取委判断は、今後に禍根を残すと思います。禍根とは消費者の利益に資することがないという意味です。
元売以外の輸出入が機能していない国内完結型市場が日本の実態です。そこで二社八〇%シェアは、「価格の同調」で温床を作るようなものです。現実に漏れ伝わるところによると、再編元売はPB=業転流通を
①完全持ち届け=PBの系列化
②仕向け先の確認=商社の系列化
にする意向だそうです。
PBは、系列や石商の意向よりも自己判断経営を行うため、価格同調への牽制球となってきました。PBの存在が後退して、元売の指標価格への影響度が高まれば、元売は儲かるでしょう。その代償は、消費者のさらなるエコ意識の高まりを生みます。
資源エネ庁が推奨する海外価格指標ですが、欧米では多様な参加者があって成立しています。商社が再編元売傘下でのプレゼンス確保=系列意識に走っている実態では、本来強力な第三者であるべき輸入も期待できません。
四月以降の市場環境を厳しく考えています。

COC・中央石油販売事業協同組合事務局


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