COCと独立経営<570>新潟市場と22年前の報告書-関 匤

ちょっと解せないことがあります。

ガソリン価格情報サイトなのですが、新潟県でランキング29位までが店頭価格で120円を割っています。うち25カ所が系列SSです。一方、千葉県では17カ所です。うち9カ所が系列SSです。神奈川県では12カ所で系列SSが10カ所です。

製油所直送の千葉、神奈川に対して内航タンカーで横持ちする新潟で両県を下回る安値競争が起こってます。安いガソリンが輸入されたのかと思いました。

しかし、石連のガソリン輸入実績は、今年1―5月で前年比15%減、通関価格は前年比L10円前後も高くなっています。5月の陸上業転(RIM)が48円前後に対して、輸入通関価格は44円ですから諸経費含めれば輸入品の競争力はありません。

知る人ぞ知る「新潟取引所」が存在しているのでしょうか。私は単純に考えますから、大需要地で利益を取って、遠隔地で量を取る動きと見ています。

しかし、新潟の系列仕切価格はどうなるのでしょうか。上記27SSのうち21カ所がJXTG、出光、昭和シェルマークです。シェア80%の2グループです。仕切りで特殊対応すれば、価格体系は崩れて系列内でまたぞろ不協和音を生みだすでしょう。

なにより、圧倒的シェアで供給を独占する2グループですから、他系列やPBを排除する恐れがあります。公取委HPに「排除型私的独占」としてこう記されています。「事業者が単独又は他の事業者と共同して、不当な低価格販売などの手段を用いて、競争相手を市場から排除したり、新規参入者を妨害して市場を独占しようとする行為です。」

コンプライアンスを高らかに謳い上げる上場企業ですから、そうならないことを祈念します。それより、市場規模が千葉や神奈川の半分の新潟でこんなことをやっていたら、激しい「系列内淘汰」を引き起こすのでは。こういう指摘があります。「一部地域における極端な価格低下は、事後的に元売会社が値引きしてくれることを期待しつつ、販売業者が当初の卸価格では利益が上げられない価格で販売していることに起因している面がある。」

これは22年前、石油流通効率化ビジョン研究会報告に明記されたものです。もしも新潟で値引きの期待に応じれば、元売は22年間、何一つ進歩しなかったことになります。それが事実であるがために、21世紀になって石油精製流通研究会をやったわけですが。

一方、新潟にいるPBのCOC会員は、業転で“値引き期待”望むべくもなく、掛け値なしの市場価格で経営しています。誰かさんが騒いできた系列―業転格差は、実は市場問題の本質ではなかったのです。問題は、系列内に存在しています。PBこそ「公明正大の鑑(かがみ)」と断言します。

この22年前の報告書を読むと、石油精製流通研究会報告は年号を変えただけのリメークではないかと考え込んでしまいます。

「特石法廃止を始めとする規制緩和は…透明性の高い、かつ、公正な基準に従った卸価格の決定を実現し、各企業が明確な目標を持って効率化に取り組むことができるような環境づくりのきっかけとしてとらえるべきである。規制緩和は…ルールなき競争を意味するものではない。…規制を前提に形作られてきた競争秩序を改め、各事業者が競争のルールを明確に自覚し自発的に順守することにより自ら競争秩序を形作っていくことが求められるものである。」

新潟市場は、大元売が“競争のルールを明確に自覚し自発的に順守”できるか否かを問う「試金石」です。

COC・中央石油販売事業協同組合事務局


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