COCと独立経営<595>倉取りこそ安定供給を担保する – 関 匤

東京で雪が降って、テレビのニュースショーは大騒ぎです。冬だから当たり前なんですが。北海道や東北で毎日大雪が降っていても無関心なのに、東京に降ると“大事件”です。むしろ、温暖な四国や九州で降る方が「問題」は大きいと思うのです。農水産への影響は出るし、高齢者も多いですから。(しかし、「地球温暖化」ってどうなっているのでしょうか。)

COCの寒冷地の会員から連絡がありました。灯油がよく売れているそうです。しかし声が浮かれていません。「毎日深夜まで配送ですよ…」と疲れ切っています。聞くと、この一年間で相当数の灯油の配送業者が廃業していたため、配達している同社に半端じゃないオーダーが集中しているそうです。

灯油を売る店は大手スーパー含めてあるのです。セルフSSは店頭売りだけ。配達業者にしても売り手の時間指定とか1週間待ちとか、要はこなし切れていないのです。上記の会員は気立てがいいことと、独立系ゆえに機会ロスを減らしたい気持ちで自ら雪道でハンドルを握っています。

今さら言うまでもなく物流が人手不足です。ヤマト運輸は値上げ交渉の結果、法人客の四割を失いました。しかし業績は上方修正です。あのアマゾン始め残り六割の顧客に値上げを認めさせたことが奏功しました。大英断だと感心します。

今でも鮮明に記憶していますが、バブル崩壊後の1998年に、COC創設者の山口武男さんが亡くなられ、私は車で関東から愛知小牧まで走りました。お通夜の帰りの深夜、東名道は恐怖でした。中京工業地帯から東京に向かう大型トラックが列をなしているのですが、スピードの速いこと。重心の高い大型車が走行車線と追い越し車線を縫いながら、暴走族さながらの追越し競争です。怖くて近づかないようにしていました。

経済崩壊で企業が一斉に物流費の削減、効率化に動いていることを実感した光景でした。たぶん元売も激しくやっていたと思います。ところが団塊世代の大量退職と景気回復が重なり、車あっても人足らずです。バブル崩壊から安く使い過ぎて、運転手のなり手がいないのです。元売が今後、物流コストを上げてくるでしょう。また自社物流を持つ、持たないで、PB間に仕入れ格差が生じるはずです。

そんな時にふざけた話です。A元売が一定期間、倉取り停止です。提携するB元売の基地が一時停止したので、ショートしたそうです。B社は意図的に止めた感があります。一種のPB苛めと思います。「元売は今後、倉取りを制限する」という話がまことしやかに語られます。日本国の物流の現状を鑑みれば、消費者を逆なでする話です。過去からの石油流通に倉取りが無かったら、元売は偉そうに「安定供給」を口に出来ましたか。東日本震災時に、モノはあるのに物流不足で安定供給できなかったのは、どこの誰でしょうか。

欧米で倉取りジョバーが発達したのも、精製や油槽所縮小の中で、彼らが石油会社の物流が及ばないところをカバーして安定供給することで成長したからです。

地方都市に多いPB物流を阻害することは、SS過疎地問題を“促進”します。石油はその物性からも、滑らかに流通させることこそ安定供給です。

COC・中央石油販売事業協同組合事務局


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