COCと独立経営<614> コンビニ業態30年前の検証 – 関 匤

JXTGの旧エッソ、モービル、ゼネラルのSS検索を見たら、セブン-イレブン併設店が164カ所とあります。じわじわとですが増えてきています。

着目したのは、一定エリアに数カ所を展開する代理店が複数社あることです。コンビニ本部の立地調査で可能な場所なら出店する考えのようです。

資源エネルギー庁の「次世代燃料供給インフラ研究会」でローソンが消防規制に的確な問題提起を行っていましたが、規制を問題視するほどコンビニ業界はSSを有効なコラボ先と考えていると思われます。

油業報知新聞を読んでいても、「業態転換」を口にするSS経営者が現れています。今後の規制緩和如何でコンビニはじめ併設業態が増加するとみてよいでしょう。

同時に、いつの時代の話なんだよ!と言いたくなります。

コンビニ併設なんてSS業態転換で30年前のテーマです。段階的な石油規制緩和の一環として消防規制も緩和されて、SS店舗利用の自由度が増しました。

元売はガソリン生産が自由化されて量販戦略に転換し、ちょうどバブル景気の金余りも手伝って、新しい競争力として流通店舗とのコラボが一斉に出現しました。

旧共同石油が米国アルコ社からam/pm(現ファミリーマート)のFC権を獲得し、他社もさまざまな形でコンビニ本部と提携するなど、元売も小売り戦略に位置付けました。

実数は把握していませんが、コンビニだけで500はありました。ファーストフード等も含めれば1000店以上あったと思います。

そして、ことごとく失敗しました。

当時、コンビニ業界には100を超えるFC本部がありました。FCビジネスの悪い面が多分にあった時代で、加盟金集め目的の本部もあったようです。特に売上予想の精度が低く、後に加盟店トラブルを起こす遠因となりました。

しかし、SS業界サイドの問題の方が大きかったと思います。お金があるから目立つものを作りたい、格好いい、ガソリン量販に使えるといった程度の動機で出店した人も少なくなかったと思います。

それとフリートを除けば500坪が大型と言われた時代に、1つの敷地に洗車機、TBA販売も行うフルサービスSSとコンビニを同居させてしまったことです。そして、1つの店に応用の効かない2つの管理機能を乗せてしまいました。非常に高コストとなり、労務管理を複雑にしました。

なによりも元売もSS経営者もコンビニを“業者扱い”していました。ガソリン売る人がこの世で一番偉くて、他は業者、敷居の外といった感覚がありました。嘗めていたのでしょう。

COCの某会員は、セブン単独店で地域トップクラスの繁盛店です。しかも、前運営店がギブアップした店舗を買収したものです。コンビニ運営会社を作り、子息が店長です。肩書だけでなく、店長業務とシステムを熟知しています。全アイテムの動きを追いながら仕入れ発注で“読み”を効かせる、頭が痛くなるような緻密な仕事ぶりに驚きました。

おでんキャンペーンの仕入れでも廃棄を恐れず大胆に行って通常の10倍も売り上げます。オーナー経営者が自らシフトに入って汗をかくから、時に思い切った判断が迅速に行えるのです。

セルフでコンビニ業態になると、後者の店長業務が事業の中核になります。ガソリンは勝手に売れていくだけですから。

しかも、コンビニ業界は凄まじく進化しています。大きなFC店紛争を経て、契約関係がオープンかつFC店寄りに改善されています。

片や、石油系は契約書を見たことがない特約店経営者がいるほどの温度差です。

この感覚を捨てない限り、30年前と同じ轍を踏むでしょう。その結果、運営の主導権をコンビニ本部が握ることになるはずです。

 COC・中央石油販売事業協同組合事務局


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