COCと独立経営<624> 未曽有の天災とSNSの存在感 – 関 匤

前回、「平成30年7月豪雨義援金」のことを書いたら、巨大台風が四国、近畿を直撃しました。関西空港が冠水し、暴風に車が木の葉のように振り回され、トタンが飛び交うさまに唖然としました。

COC会員に確認したら、台風の進路と商圏が重なった会社では計量機が倒壊、LED照明の落下に加えて停電で稼働しないSSが数カ所ありました。

その翌日、北海道の大震災です。道南厚真町が震源ですが、甚大な被害に加えて広く道内全域で停電、断水などインフラが遮断されています(6日現在)。

SSがどうなっているか気になって石油関連の情報をネット検索しました。

9月6日13時現在、資源エネ庁はツイッターを使って、午前電力関連情報を流しています。全域で停電しているため、午前10時頃から新しい情報が出るたびに13時まで4本ツイートしています。

第1報は、流通施設と工場、倉庫に大きな被害が確認されていないので、電力が回復すれば生活インフラも回復する見通しです。

第2報は、直撃を受けた苫東厚真火力発電所で火災が発生し、復旧に1週間を要すること。第3報は、停止した苫東厚真の代替として水力発電30万㌔㍗の投入と、砂川火力25万㌔㍗の再稼働を本日中なるべく早めに行うこと。

そして第4報は「奈井江火力35万㌔㍗、伊達火力70万㌔㍗、知内火力70万㌔㍗などの火力発電所を早急に、できれば明日にも再稼働させ、併せて北本連系線60万㌔㍗を活用した本州側からの電力融通も行います。」とあります。優先順位を電力回復においている様子が伺えます。苫東厚真停止というマイナス情報をオープンにしたうえで代替案を出しています。

元売四社、石油連盟、全石連石油広場(非会員頁)では北海道地震関連情報が見当たりません。

そんな中、コスモエネルギーHDは地震直前の9月4日に、「危機対策本部地震BCP(事業継続計画)訓練」を実施しています。HD、石油、マーケティング3社合同で、製油所、支店など現業所と一部特約店と運輸会社も参加した大掛かりなものです。

①地震直後より、本社は「危機対策本部」を立ち上げBCPを発動、②製油所、支店、油槽所、運送会社、特約店、SS等から、被災状況・被害情報を収集・整理、および石油連盟、マスコミ等への対応、③発生2時間以内に「危機対策本部」合同会議を実施とあります。奇しくも訓練直後の大震災となりました。

北海道の大手PB企業は、資源エネ庁と同じくツイッターで地震情報を発信しています。やはり現地だけに、震災直後にNHKニュース情報を流しています。8時にはSS営業の噂があるがデマであること。停電で全SS停止中と公表しています。

第1報と同時刻の発信に、「ひとりで不安な方もいらっしゃるかと思いますが、少なくともここで私と繋がっています。今は身の安全を確保してください」とあります。情報が得られない時点で非常に大切な発信であり、目頭が熱くなります。

こういう時、とにかく情報が必要です。今回SNSという存在を評価しました。資源エネ庁やPB大手の発信だけでなく、北海道在住の方々が個々に発信する現状も得られます。小さな情報でも企業本体、個人本人からの発信、これが多ければ多いほど遠隔地にある者にとって重要な判断材料になるのです。

 COC・中央石油販売事業協同組合事務局


〒104-0033
東京都中央区新川2-6-8
TEL: 03(3551)9201
FAX: 03(3551)9206