vol.726『CSやめて!』

「まさかきょう、2018年シーズンが終了するとは考えていませんでした」─。10月21日、パ・リーグ クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第5戦でソフトバンクホークスに敗れた西武ライオンズ・辻監督は、本拠地最終戦後の挨拶で号泣しながら搾り出すようにそう語った。12球団トップのチーム打率を誇る強力打線でパ・リーグの覇者になったのも束の間、6ゲームもの差をつけた2位ホークスに4勝1敗で日本シリーズ出場権を奪われてしまった。昨年はセ・リーグチャンピオンの広島カープが、14.5ゲームも離した3位 横浜ベイスターズに敗退し、日本シリーズ出場を逃した。

我がジャアインツはといえば、今年は3年連続でリーグ優勝を逃し、高橋監督は事実上の更迭。それでもどうにか3位に滑り込み、CSファーストステージでヤクルトスワローズを下したが、リーグ3連覇を果たした広島には、格の違いを見せ付けられてあっさり3タテを食らってしまった。しかし私はそれでよかったと思う。レギュラーシーズンで勝率が5割にも満たないポンコツチームが日本シリーズに出場するなんて前代未聞の珍事、いや日本のプロ野球を冒涜する出来事だと言っても過言ではない。私は、クライマックスシリーズは即刻やめるべきだと思っている。だってそうでしょ?どう考えたっておかしいよ。長いレギュラーシーズンを勝ち抜いた優勝チームへの敬意はどこへいってしまったんだ!

いまの制度は2004年にパ・リーグのみでプレーオフとして取り決められたのがはじまりだが、同年リーグ2位の西武が、翌年はやはり2位のロッテが、いずれも王監督率いる1位ホークスを退けて日本シリーズに出場している。しかも、どちらもセ・リーグの1位チームを破って日本一に。その後2年間は1位・日本ハムファイターズが順当に出場したものの、2007年からセ・リーグもこの制度を取り入れ、以後、リーグ優勝しなかったチームが5度(中日、ロッテ、阪神、横浜、そして今回のソフトバンク)日本シリーズに出場し、いまのところ中日とロッテが変則的日本一になっている。

考えてみてほしい。11.5ゲーム差をひっくり返した1996年の巨人の「メークドラマ」が、2位か3位でも日本シリーズに行けるなんて甘っちょろい環境下であったなら起こり得ただろうか。早々と優勝をあきらめて、2位・3位狙いに走るなんてことはあってはならない。それはペナントレースの覇者に対しても、その価値を著しく損なうものだ。

“そんなこと言っても、CS制度のおかげでプロ野球の観客動員は向上しているし、興行的な観点から見れば成功じゃないか”という意見があることは先刻承知だ。そこで、私なりに代案を考えてみた。それはかって1973年から82年までパ・リーグで導入された、前後期制を両リーグに導入するのだ。リーグ戦各60試合、交流戦各18試合をオールスター戦(1試合にすべき!)を挟んで前期と後期で競う。前期優勝チームと後期優勝チームが5試合制のプレーオフを行ないリーグチャンピオンを決める。また、各リーグで前後期共に優勝できなかったチームの中から、年間を通して最も勝率の高いチームが1試合のみのワイルドカードを行ない、その勝者は同じリーグのチャンピオンと4試合制のプレーオフを行なう。(リーグチャンピオンにアドバンテージ1勝) これなら、公平性を維持しつつ、興行的にも年間通じて盛り上がるのではないだろうか。コミッショナー、ぜひ御一考を。

今回は、ガソリンもセルフも放ったらかして、大好きなプロ野球について語らせていただきました。優勝できなかったチームが日本シリーズに出ちゃいけない!CS制をこのまま続けてゆくと、プロ野球はダメになる!安売りしているGSに赤字補填なんかしちゃいけない!そんなことを続ければGS業界がダメになる!

セルフスタンドコーディネーター 和田信治
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