vol.794『具体的な情報、定量的な思考』

例の“アベノマスク”届きましたか?ウチはまだ。町内の方で、届いたという方もいるのでそろそろかな…。首相は、なかば意地になっているのか、あのマスクを“愛用”していらっしゃるけれど、だんだん縮んできているように見える。私がイメージ戦略担当のスタッフだったら“総理、もっとカッコいいマスクになさった方がよろしいかと存じます。それではまるで小学校の給食当番のようです…”などと余計なことを助言してしまうかもしれない。実際、他の大臣や与党幹部で“アベノマスク”をしている人は全然いないので、もしかしたら安倍首相の求心力は弱まりつつあるのかも。

それにしても、全都道府県で緊急事態宣言が解除されたというのに、まだ配り切れていないって…有償だったら注文キャンセル続出だろう。いや、あのマスクは決して無償ではない。製造・配布に要した90億円もの費用は、私たちの税金だ。さらに検品のために8億円もかけたというのであれば、これはもう一刻も早く届けてもらって、かけ心地を味わってみないと納税者としては納得が行かない。(笑) そういえば、国民一人当たりに給付される10万円の申込用紙もちっとも届かないな~。各都道府県でタイムラグがあるようなのだが、愛知県は来月になるとのこと。やれやれ…滞納金を幾らか加算してくれないかな…。福島県のある村なんか1100人余りに2回も払ってくれたっていうのに。(苦笑)

テレビで、首相や大臣、知事さんたちが「スピード感を持って…」と力説するたびに“どれぐらいの速さなんでしょうか?”と尋ねたくなる。“時速何㌔のスピードで、何時いつまでに”といった、科学的な計算に基づいた数値を示してもらいたいな、と。まあ、無理でしょうけど。仮にそんな数値目標を明言してしまった、それが果たせなかった暁には責任取らなくちゃいけないのだから。それに、日本国民の多くはそうした具体性のない言葉を、寛容に受け止めてくれるのだ。

日本人は、その気もないのに約束をしてしまう国民性がある、とある外国人コラムニストが指摘していた。例えば、日本人が初対面の外国人に「近くにお立ち寄りの際はぜひ遊びにいらしてください」と言ったので、相手が「分かりました。どこにお住まいですか?いつならよろしいですか?」と問い返したら引かれてしまった、というようなこと。「ありとあらゆる政策を総動員し、躊躇することなく可及的速やかに断行してまいります」といった、どんな事をいつまでにどうやって実行するのか一切分からないメッセージに真面目に耳を傾ける資質が、多くの日本人には備わっているのかもしれない。

とはいえ、いつまたクラスター感染が発生するかもしれない危うい社会となってしまったいま、国民にこれまで以上に、具体的な指針、定量的な基準を提示しなければならない。抽象的な表現、あいまいな指示は、再び災禍を引き起こしかねない。また、国民一人ひとりも、気を緩めることなく、用心深く生活しなければならない。私たちは、人食い鮫がいることが分かっている海で遊泳しているようなものなのだ。

GS業界も気を緩めることは絶対禁物。ほとんどのGSは、コロナ禍がなくても、販売量は前年割れ必至だったわけだし、いまから経済活動が再開しても、この業界が「V字回復」することは100㌫ない。一方、原油価格暴落によってこの2ヶ月余りは“まともな商売”ができた。この“成功体験”を無駄にしてはならない。ようやく、この業界も“1㌔㌘の鉄と、1㌔㌘の綿は重さが同じ”ということが分かりかけてきたのだから、引き続き定量的な思考力を働かせて、昨今のトレンドである「持続可能な経営」を維持してゆくべきだろう。かつて来た道に逆戻りした挙句、コロナ禍時代を振り返り、「あの時は良かったなぁ」なんて不謹慎なことを呟くようであってはならない。

 セルフスタンドコーディネーター 和田信治
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