vol.818『今年も巨人が優勝しましたが…』

遅ればせながら、読売ジャイアンツの2年連続リーグ優勝について。今年はコロナウイルスの影響で、開幕が6月となり、過密日程での120試合制ペナントレースとなったが、ジャイアンツは2位以下に大差をつけて10月30日に優勝を決めた。開幕カードでタイガースを3タテで下した時点で“こりゃあこのまま突っ走るな”と予感したのだが、ハイ、そのとおりとなりました。(笑)

優勝の原動力となったのは、やはり「監督力」。原辰徳監督の采配が昨年以上に凄味を増したように思う。チーム打率は.255ぐらいで、リーグ3位で3割バッターはゼロ。しかし、500得点はリーグトップ。(10月31日現在) 勝負どころと見れば、絶対的な主力選手である坂本と丸にも送りバントを命じるなど、他の監督にはなかなかできない采配だ。

無論、現在 打点と本塁打でトップを走る若き四番、岡本和真の存在は大きいが、スワローズ・村上、ベイスターズ・佐野など、他チームの四番打者と比べて、図抜けているとは言い難いし、カープ・鈴木誠也に比べたら、まだまだだ。だが、原監督は彼を4番からはずさず、一方で、3~5年目の若手選手の競争を、これでもかとばかりに煽り、その中から、吉川、松原、大城らが出てきた。

投手陣に目を向ければ、菅野という無双エースを擁しながらも、昨年の最多勝投手・山口 俊が抜け、残る面子はイマイチ頼りないのばかりだったのだが、その先発陣を支えたのが、高梨・中川・大江ら鉄壁の中継ぎ陣だった。ファイターズを戦力外通告された田中 豊をトライアウトで獲得、7月に支配下登録すると即一軍で起用、貴重な戦力となった。

とにかく、打つ手がずばずば決まる。起用した選手がことごとく期待に応える。チーム編成権も掌中に収める“全権監督”として、いまや原監督は絶頂期を迎えていると言えるかもしれない。原監督はシーズン中、通算勝利数を「1067」に伸ばし、川上哲治氏の球団記録を更新した。もはや、この記録は破られないだろう─。
だが、私は原監督が川上監督を「超えた」とは全然思っていない。何と言っても、9年連続でリーグ優勝を果したうえに、日本シリーズもすべて制した偉業の前には、さすがの原監督も霞んでしまうのだ。原監督は昨年まで2度の3連覇を含む8度の優勝を果しながら、日本一は2度。また、クライマックスシリーズ(CS)で2位チームに敗れ日本シリーズに出場さえできないことが2度もあった。他のチームなら「名将」と称えられるかもしれないが、ジャイアンツの監督としては疑問符が付く。

今回、パ・リーグだけが2位チームとのCSを経てシリーズ出場チームが決まる。すでに優勝を決めた福岡ソフトバンクホークスとダブルスコアのゲーム差をつけられている2位以下のチームが必死にCS出場権を争っている様は、馬鹿馬鹿しくもあり、痛々しくもある。来季に向けて若い選手たちに経験を積ませるための“貴重な消化試合”を無駄にしている。ついでに言わせてもらえば、“8年ぶりのAクラス”にこだわり、“ダイヤの原石”根尾と石川に経験を積ませようとしないドラゴンズも愚かなり。私の周りのドラ党たちも同意見。与田監督の続投が決まりガッカリしている。

恐らく、ジャイアンツの相手は昨年同様ホークスだろう。そして、これまた昨年同様、完膚無きまでに叩きのめされるだろう。私は、いまやパが1部リーグで、セが2部リーグだと思っている。GS業界に例えるなら、ホークスはいまや「コストコ」級で、地場のGS群が束になってかかっても敵わない強力な存在。ジャイアンツも1勝できれれば御の字だろう…。

 

セルフスタンドコーディネーター 和田信治
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