vol.715『広島カープ強すぎる』

『広島カープは8日午前中に、日本野球機構に9日からの阪神3連戦(マツダスタジアム)の中止を申し入れた。9日の第1戦のみの中止も視野に検討したが、交通機関の復旧メドが立たないことも考慮し、異例となる3試合全ての中止を決定した。広島の鈴木清明球団本部長は「被災した心情や、救助が進む中で試合ができる状況にない。こうした災害のときは、試合をして盛り上げようという時期ではない」と自粛の旨を説明した』─7月9日付「スポーツニッポン」。

西日本を中心とした豪雨被害は、NHKの調べで9日15時現在、13府県で112人が死亡(広島県は最多の44人)、3人が意識不明の重体、78人の安否が不明だが、被害の全容は分かっていない。ニュースでは、土砂崩れによって押しつぶされた家々や、河川の氾濫によって滅茶苦茶になった街などの映像が途切れることなく放送されている。生活再建の道のりを思うと、途方に暮れてしまうのも無理ない。衷心よりお見舞い申し上げます。

それにしても、広島カープは今年も強い。前半戦を終えて、9日現在、他の5球団は皆勝率が5割未満。2ゲーム差の中でどんぐりの背比べをしているのをあざ笑うかのごとく、2位に7ゲーム差をつけて早くも独走態勢に入りつつある。3番・丸、4番・鈴木、5番・松山と並ぶクリーンナップは今年も健在なうえ、野間、バティスタがブレーク、チーム打率、得点数、本塁打数はいずれもリーグ1位。投手陣も、去年の勝ち頭・薮田の故障を大瀬良がカバー。野村、ジョンソンも復調しつつある。何と言っても、今村、ジャクソン、中崎の救援陣は憎らしいほど安定している。

それに引き換え、我がジャイアンツの体たらくときたら。チーム打率はカープに決して引けをとらないし、チーム防御率はカープを上まわっている。無双エース・菅野智之、天才打者・坂本勇人、12球団トップの得点圏打率を誇る亀井善行、そして遂に覚醒した若き大砲・岡本和真と、どう考えたってカープより上にいて当然の面子が揃っているのだが、なぜかカープとの対戦成績はここまで4勝9敗。去年も7勝18敗とコテンパンにやられた。このままだと去年の二の舞だ。

カープとジャイアンツの差がどこにあるのか、詳しい分析は専門家に任せるとして、私の印象では、とにかくカープの野球は抜け目がない。ここが勝負どころと見るや、序盤でも新井やエルドレッドも投入して一気呵成に攻め立ててくる。1イニングに5点ぐらい取ってあとはゼロ行進という展開が結構ある。そして、終盤までリードを保てば、前述の救援陣がしっかりと役目を果たして守りきる。

GSもカープのような試合運びをしたいものだが、長雨のさなか、販売量が減るのを恐れ、浮き足立って価格を下げる。巨人の投手に例えれば、ランナーを許した途端オロオロし出す澤村かカミネロみたいなものだ。弱気になり、コントロールが甘くなって傷口を広げ、やらなくてもいい失点を重ねる。雨の日は元売が損失補てんをしてくれるわけでなし。雨が降れば、球場もGSもお客が来ないのは当たりまえ。もっと自信を持ってお客様を待つことができないものか。

得点圏にランナーを進めても決定打が出ない巨人打線のように、市況是正の好機を繋がりのない攻めでふいにしてしまう。粘り強く市況を維持しようという意識がないため、一向に利益という得点を稼げない。元売各社は軒並みしっかりマージンを確保しているというのに、GS業界だけがパ・リーグで唯一勝率5割未満で最下位に沈んでいる楽天イーグルスのように、借金を抱え込んでいる。広島カープのような試合巧者となって、黄金時代を築くのは夢のまた夢か。

セルフスタンドコーディネーター 和田信治
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