COCと独立経営<628> ブランド統合で始まる系列内淘汰 – 関 匤

JXTGによるブランド統合がスタートします。前回書いたように、トヨタのディーラー再編と同じく既存4ブランドの統合となります。

来年の出光興産・昭和シェル石油を含めれば元売再編が6回行われて、13元売が五社に集約されます。そして再編のたびに、SSが一気に減少する現象を起こしてきました。1系列内の優劣だったのが、2系列にプレーヤーが増えることで、相対的に系列店の優位性に優勝劣敗が生じたことによります。

私の生活圏ではありませんが、試しに横浜市のJXTG系列SSをカウントしてみました。全SSの68%がJXTG系列です。港北区では83%のSSシェアです。また青葉区、中区、旭区、西区、都筑区、神奈川区で70%超です。

この状況でブランド統合が行われれば、SSの数で他系列を駆逐するよりも共喰いの可能性が高くなります。

というのも元売各社は自由化以降、クレジットカードや提携ポイントなど系列独自の囲い込み策を講じているからです。昭和シェルやコスモでカード会員になった顧客がJXTGに移動することは少ないはずです。私自身も2社の系列クレジットカードカードを持ちますが、一般提携で給油可能と分かっていても他系列SSでは利用しません。

商圏内で八割が同じマークになったら、顧客はどういう消費行動を取るでしょうか。今の元売にとって、SS評価のプライオリティはセルフSSのパフォーマンスにあります。そして私の想像ですが、ガソリン販売の七割はセルフで売られていると思います。となれば多くのセルフ利用顧客は同じブランドが並ぶなら、①立地利便性、②設備、③併設サービスで利用SSを選択するはずです。その要件を備えたSSにフリー客やカード顧客が集中することは間違いありません。

また、JXTGはエネオスブランドに「EneJet(エネジェット)ブランド」を加えました。旧EMGのエクスプレス業態を中心にエネジェットになります。当然、セブンイレブンとドトール併設店はエネジェットとなります。このエネジェット業態は相当の集客力を持つはずです。

前述のように元売は自系列客囲い込みを進めてきました。高い増客効果を得られた反面、余りにも系列色を出しすぎたがために、これも前述の私の消費行動のように系列カード外顧客の入店を阻害したのではないかと仮説を持っています。

エネジェットは形を変えたPBです。PBは系列システムの強固さには敵いませんが、逆に誰でも気兼ねなく入れる敷居の低さがあります。想像ばかりで恐縮ですが、セブン業態も「Essoマーク」があるために機会損失していたのではないでしょうか。米国では「セブンマーク」で幅広く集客しているわけですから、セブンの企業風土を考えるとEssoに十二分に満足していたのかな?と思います。

しかしPBとも言えるエネジェットは系列色が付いていないので、セブンやドトールとの親和性が高まると思います。それは同時に、系列内淘汰に拍車を掛けることになるはずです。

COC・中央石油販売事業協同組合事務局


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