COCと独立経営<809>「ガソリン大仏商法」 との決別 – 関 匤

COCはコロナ以前、年間数回の「ビジネス研究会」を開催していました。1つのテーマに特化しての日帰り勉強会です。

コロナで集合できなくなり、この2年はZOOMを使ってウェビナーを行ってきました。会議場の確保、配布資料作りとコピー、会場でのリハーサル、終了後の懇親会設営など結構手間があるのですが、ZOOMだと気軽にどこからでも招集できます。月に3回開催するなど年間20回も開催していました。

しかし、ディスプレイ越しのコミュニケーションが暖簾に腕押しの感があり、全員の表情を見られるリアル開催の日を待ち望んでいました。6月に通常総会を日帰りのリアル開催してみたら、お互いの顔を見られる嬉しさで大いに盛り上がりました。ということでビジネス研究会もリアルに復活させました。

今回のテーマは「車販」でした。

まず重要な話として、2023年10月からの自動車販売の支払総額表示義務化が説明されました。背景となったのが、大手専業店による「不適切な販売行為」にあります。表示価格は安いのにその価格では販売しない、高額な保証や整備、オプションの強制、不適切な諸費用の請求などが自動車公正取引協議会より指摘されました。

これは車の品質を担保して、明快な価格設定とアフターサービスの充実を図ることで、専業店の市場にSSが食い込める好機となります。私の好きな映画「スーパーの女」(伊丹十三監督)で“商売と屏風は曲がらにゃ立たない”と平然とうそぶくスーパー幹部達に対して、主人公が“正直が一番”と敢然と立ち向かいます。

さて、SS車販は車検自由化と同時期に始まっています。当初はオークションとPCをリアルタイムに直結した無在庫による中古車販売が広がりました。流通の勘どころを理解した経営者は、新車や未使用車の直接販売に広げていきました。さらに新車リース、レンタカーと車販を軸にビジネスのすそ野が広がっています。

黎明期から四半世紀の歴史を重ねたSS車販ですが、企業間、SS間の温度差が相当に大きいのが実情です。SS平均で年間200台前後も売る会社もあれば、月に1台出るか出ないかまで振幅が大きくなっています。

ビジネス研究会では、根本的なビジネスへの向き合い方が指摘されました。講師は「どこにでもある商品を同じような売り方で提供していることが元凶。スタッフは悪くない。経営者の問題」と厳しい話をしました。曰く、「SS経営者の行動パターンは3つ」だそうです。

①見つける=他社が儲けている商品を見つける

②磨く=徹底したマニュアル教育

③伝える=不特定多数への告知

高度成長期の商品を求める人が陸続と出現した時代はともかく、現在の消費者に旧来のSS発想は通用しない。まして個人客にとって大型投資となる車販や高額コーティングなどは、ガソリンのようなコモディティと一線を画すべきと言いました。

①他社がやっていないことに挑戦する

②品質とサービスにこだわる

③特定のターゲットに訴求する

そのためには「ビジネスの軸を変えること」と言って、面白い喩えをしました。「大仏商法」と言って奈良や鎌倉のように大仏があれば、参道に屋台が並んで大繁盛するという意味です。講師は「車販に真摯に取り組むならばガソリン大仏商法と決別すべき」と喝破しました。

SSが車販成約者の名前をセールスルーム内に掲示するのは素晴らしいことではあるが、経営者は「数」に満足しているのではないのか、と参加者にとっても耳の痛いことを言いました。中古車は買った時点で満足しても、乗っているうちに不具合が生じることがままあります。「3年、5年後に購入者によるファンミーティングが実現するか否かでお店の評価が決まる。高い投資が裏切られた顧客は二度と買わないだろう」と述べました。

だからこそ、「ガソリン大仏意識」を捨てて「顧客大仏意識」で寄り添うビジネスが車販と、本質論を展開しました。COC会員には、車販で「SS油外収益革命」を扇動しようと思っています。

COC・中央石油販売事業協同組合事務局


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