COCと独立経営<585>PBに自由度で利益戦略を- 関 匤

福井県で有力PBが経営する五カ所のSSが、広域事業者により買収されました。7月に金沢でもありましたが、PBのSS買収や企業M&Aが動いています。

PBは売買しやすいですね。系列店のように元売POSシステム、無償貸与機器がない上に、原則、仕入れはCDの現金決済で債務が残っていませんから。プリカの残額処理の面倒はありますが、しばらく旧システムを引き継ぎながら状況を見て、自前のシステムに変更することもできます。

冗談ではなく、PBの「FA宣言」がこれからも出てきそうです。よく譬えるのですが、元売系列は東京六大学野球、PBは東都リーグです。PBは、入れ替え戦でめまぐるしく顔ぶれが変動します。

系列内は、「椅子取り合戦」の観がありましたが、東都リーグ化するかも知れません。椅子取り合戦では優位性(順位)を競い合い、ゲーム参加者(SS数)の多い大手店に有利なルールでした。しかし、本当に特殊な調整が無くなって系列内の仕切り価格差が縮小して、マークまで統合されると、大手直営と1SS店が実力勝負となります。

系列は系列内で、PBはPBで運営力の競争になると思われます。それは必ずしもガソリン販売量の多寡ではなく、最終利益がカギを握るはずです。環境を考えても、石油需要の減少はなお続くでしょうから、ガソリン販売量を持ちすぎた会社はその依存度ゆえにガソリンへのこだわりから脱け出すのは大変だと思います。

むしろ小規模店で経営者が店頭に立つような会社は、顧客の顔が見えるだけに面白い展開が可能と見ています。

前にも書きましたが、ガソリン30㌔㍑でもトップが車販営業して、1台の車から車検、鈑金、保険、オイル、タイヤなど派生的に高収益をあげる実例もあります。

米国SSのコンビニに代わる利益軸を立ち上げようと、COCでもビジネス研究会でさまざまな方向性を検討しています。多い少ないにかかわらず、できればガソリン給油客とリンクできればと考えています。

FC加盟は、やる気のある経営者か家族が加盟者になるのはともかく、企業経営にはなじまない部分もあります。

むしろ、ビジネスの構造を知ることで、苦労しても独自に立ち上げるのがベストと考えています。実際、COC会員の中には、試行錯誤の末に独自事業を立ち上げて、逆にFC本部となって全国展開する企業もあります。先の研修会でもその経営者に、事業の動機や苦労話を聞かせていただきました。

冒頭の事例にあるように、PBの経営環境はガソリンを主体に考えれば大変厳しいものがあります。元売の再編とは「系列SSの東都リーグ化」であり、系列内とう汰を起こしながら、流通は立地・設備・運営に優れたSSネットワークに再編成されるでしょう。

しかし、「利益を稼ぎ出す」という視点に立てば、PBの自由度が生きるはずです。系列SSは、システムに加えて油外収益でもガソリンと事実上の“抱き合わせ状態”という縛りにあります。

FA宣言で出口を探るのも経営判断ですが、PBは文字通りの独自発想で縛りのない利益戦略を実現してほしいものです。

 COC・中央石油販売事業協同組合事務局


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