COCと独立経営<680>車ビジネスは車屋感覚で – 関 匤

最近の油業報知新聞で報道が増えてきたのが、各地で元売系列のサービスコンテストの記事です。

悪い話ではありません。何年か前、元売社長が揃って財務畑出身の時代はキャッシュフロー拡大を意識したのか直営SSが率先して安売りし、特約店・販売店スタッフに酷薄な印象がありました。

最近はガソリン需要の縮小を意識したのか、SSの非石油収益に目が向いてきたのでしょうか。油外関係のアプリ開発など様々なツールを提供して、教育訓練も再評価されているようです。

ガソリンですが、石連統計によると9月は2016年レベルまで持ち直しましたが、上半期では97.5%でした。2005年から縮小傾向がジワジワ継続しています。ボリュームを維持しなければならない大手店を除けば、非石油事業を意識せざるを得ないところです。

非石油では、カーケア商品が主流です。自由化後から、SS油外アイテムに車検、車販(リース)、レンタカー、鈑金、磨きなど高収益商品が入ってきました。取り扱うSSが少なくありません。元売が自社ブランド化するケースもあります。

COCには自動車業界から新規参入した会社が複数あります。SSのガソリンが、彼にとっては車販です。車を買った顧客にはしっかりアフターフォローしながら定期点検、車検、修理と固定化していきます。

SSが給油客の再来店を必死で促すように、車屋さんは車を買ったお客さんを必死でサポートしているのです。ただし、違いは販売後を意識しているか否かです。

SSはガソリンという強力な商材があるので、給油絡みの販促で一定の客数を取るのは得意ではないかと思います。一方、販売後のフォローが弱いように思います。車検のリピート率ですが、専門業界では70%、80%が平気でありますが、SSはたぶん50%を下回ると思います。私の感覚ですが車屋さんより低いことは間違いないでしょう。

私のド田舎の実家は、家族経営の整備屋さんにメンテナンスを一任しています。たぶんSSのメニューに比べて支払額は多いはずです。その代わり、オイル、バッテリー一つでも出向いて作業して納車してくれます。必要な時にレンタカーとして代車を格安で提供してくれます。

田舎で顔が見える関係だけに、売って終わりでなく、車検後・整備後の調子を気にして連絡してきます。車の車齢は26年間連続して伸びており、ほぼ9年間です。車で商売するのは9年レンジで捉える必要があります。田舎の整備屋さんは、長い目で見れば「車検1万円引き」や「ガソリン5円引き」より、実は安くあがっているのではないかと考えます(気持ちの面も含めて)。

COCの自動車屋さんたちも、車の商売は息の長い商売と認識しているのです。元売系列のようにサービスコンテストもキャンペーンもありませんが、車に対する顧客の期待値はしっかり押さえています。

SSが車に本気で取り組むならば、「石油販売業者」の意識を捨てて、「突出した自動車屋」へ選択と集中をすべきと考えるところです。

というのも、COCで自動車屋でない元売系列サブ店のPBが車販で評価されて、某自動車メーカーの副代理店資格を取得しました。石油業界ではサブでしたが、自動車業界ではメーカー直仕入れの特約店になれました。車業界の方が実力評価の世界と実感した次第です。

COC・中央石油販売事業協同組合事務局


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