『イスラエルが60歳以上の市民に対し、 世界で初の試みとして、新型コロナウイルスワクチンのブースター接種(追加接種)を開始する。8月1日から始まり、ワクチン2回目接種から5カ月以上が経っていることが条件になるという。イスラエルは世界に先駆けワクチン接種を展開し、これまでに人口930万人の約6割が接種を完了し、1日当たりの感染者数も数カ月前の時点で1桁台まで減少した。しかし、感染力の強いデルタ変異株の流行で感染者数は再び増加に転じ、1日当たり2千人を超えている』─7月30日付「ロイター」。
日本でも、ワクチン担当の河野行革相が「日本もたぶんどこかで3回目を打つことになるんじゃないかと思っている。たぶん来年なんだと思う」とツィッターで発言している。何でそんなことになるのか。CDC(米疾病対策センター)は先月30日、変異株「デルタ」に感染した場合、ワクチン接種者の体内でも未接種者とほぼ同量のウイルスを生み出すことを示す研究結果を公表した。また、ワクチン開発会社 ファイザーとビオンテックは、3回の接種でデルタ株に対する中和抗体価を、2回接種した場合と比べて、18-55歳で5倍以上、65-85歳で11倍以上上昇させるとの試験結果を公表し、ブースター接種の必要性を米連邦政府に求めているという。
日本では7月30日現在、1回目の接種を終えた人が国民全体の39㌫、2回目は28.3㌫にとどまっている。ただし、65歳以上の高齢者の8割近くが2回の接種を終えており、その結果、5月下旬に1400人を超えることがあった重症者が、7月29日、半数以下の626人に、死者数も1~2月は100人を超える日もあったのに対し、同じく13人と大きく減少しており、効果は現れてきていると厚労省は説明している。だが、イスラエルでは現在、重症化割合のうち過半数がワクチン2回接種者だという。ということは、ワクチンの効き目はせいぜい半年から1年ぐらいで、今後も3回、4回、5回…と有効な治療薬が出てくるまではワクチンを定期的に打ち続けなければならないのだろうか。そうなれば、いずれワクチン接種が有料になるかも…。
また、CDCのワレンスキー所長は7月27日の記者会見で、「ワクチンは重症化や死亡からわたしたちを非常によく守っている。しかし、あとほんの数回の突然変異で現れる可能性もある新たな変異株が、ワクチンを逃れる恐れがあるというのが大きな懸念だ」と述べ、楽観論にクギを刺した。すべてのウイルスは感染宿主の中で複製され、時間とともに変化する。つまり、数えきれないほどのバージョンのコロナウイルスが広まっていて、それぞれがわずかな遺伝情報の違いによって分かれており感染が広がれば、新しい危険な変異株が生まれるリスクも当然高まる、というわけだ。
いま、日本はまさに「第5波」の真っ只中。首都圏を中心に感染者数は爆増中で、全国で1万人の大台を超え、連日記録を更新中だ。前述のとおり、重症者数はまだ少ないが、 軽・中等症患者を含めた入院患者数がオーバーフローすることで医療体制が崩壊する危険性が高まっていると関係者は警鐘を鳴らしている。
そして、この状況から「新しい危険な変異株」が生じないとも限らない。相変わらず“コロナはカゼ”とうそぶく人は多いが、決して侮るべきものではないと思う。
私は先日1回目のワクチン接種を済ませてきたが、副作用のようなものはなく、腕が腫れて2~3日痛かったぐらいで済んだ。しかし、中日ドラゴンズの木下雄介という27歳の投手が、1回目のワクチン接種から間もない7月中旬、練習中に倒れ、いまも重篤な状態にあるという。ワクチンとの因果関係は分かっていないとのことだが、食品アレルギーのように、ワクチンも人によっては重い副作用を引き起こすのかもしれない。こればかりは打ってみないと分からない。
2回目の接種後は結構な割合で高熱が出るとのことで心配だ。あのばかみたいに元気なフワちゃんですら、発熱と倦怠感で仕事を休んだとか。私のまわりでも高熱が出て寝込んだ、という人が何人かいた。副作用がひどければひどいほど、「3回目の接種を」なんて言われてもためらってしまうんじゃないだろうか。まあ、そんな心配はひとまず置いて、2回目の接種に行ってまいります。3週間後にコラムが休載になっていたら、高熱を出して寝込んでいると思ってください…。
セルフスタンドコーディネーター 和田信治
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