2025年は長野県石商のガソリン価格談合報道に始まり、ガソリン・軽油税の暫定税率廃止で幕を閉じようとしています。その間に、神奈川県と東京都におけるフリート業者の軽油納入価格談合疑惑もあって、石油業界全体が社会的にイメージを下げる1年となりました。
ガソリン価格サイト「gogo.gs」の価格変動を見ると、今年のピークは4月13日の「182.9円」(現金店頭)でしたが、12月14日には「155.9円」と丁度ガソリン税率撤廃分「27円」安くなっています。(原油や為替を勘案していませんが)
同サイトで見ると、明らかに東高西低となっており、愛知、三重、岐阜、兵庫、和歌山などで主にPBで135円~137円という価格が出ています。東京、神奈川、千葉で139円が(突出した)最安値で、埼玉は141円です(12月17日現在)。
また、石商さんが大好きな?コストコさんは地域差はありますが、最安値133円~142円、中心価格帯は136~137円といったところです。
原油価格に大きな変動がないので、税撤廃分の下げ相場となり、元売や商社が在庫の品繰りを行っているのでしょう。
とまあ、ガソリン市況の話を書いていても全く面白くありません。
私も昔は“ガソリン量販イケイケ”でありまして、120坪のSSで700㎘売っているという話に興奮しまくっていました。COCを創設した愛知県春日井市の山口武夫さんのSSは180坪でしたが、自由化前には商圏内に大きな灯油需要がありました。当時のフルサービス体制の小規模SSでは、ガソリン給油と灯油計量機に走るスタッフの動線が混乱して、効率の悪い店頭オペレーションでした。
そこで山口氏は余り車が走らない細い側道向かいの100坪余りの土地を賃借して、灯油タンクを埋設しました。
そこを簡易舗装して、市役所の食堂で置かれていた、お金を入れるとプラスチックのチップが出てくる簡易自販機を置きました。灯油を買う人はこの専売所でどうぞ、です。計量機に高校生アルバイトが1人いて、チップを受け取るとポリ缶に給油します。金銭の授受はありません。
結果、この高校生1人で「700㎘」の灯油を販売していました。店頭を見て体が震えるほど興奮したことを覚えております。
しかし、それも今は昔。
自由化から30年を経て、こと給油に関してはセルフSSの立地・設備のハード要因で決まる世界となりました。サービスエリアの飲料自販機と軒下のそれの違いそのものです。
それを嘆いても仕方がありません。中小企業の独立系事業者は一番立地を取るほど資金力はありませんから。だから給油に関しては、元売直営・社有SSやフリートが圧倒的に優位にあります。
とはいえ、20年間で乗用車保有台数が116%に増加する一方で、ガソリン需要は73%まで落ちています。燃費が1.6倍になって構造的に需要が縮小する時代なので給油の一等立地の意味は昔から大きく変わっています。元売もよく分かっていて、不動産価値と天秤にかけた上で、大型セルフSSを廃止あるいは系列店に運営移譲する事例が目立ちます。
米国では伝統的な油外収益が飽和化した1970年代に、石油会社、独立系事業者が一斉にコンビニ併設に舵を切りました。
日本では石油自由化の頃にコンビニ再編、商品開発やオペレーションの高度化が進化して、食品の鮮度管理に慣れないSS業者にとってハードルの高い業態となりました。その代わり、車検自由化を機に車販、板金など、従来の油外の高度化という新たなビジネスチャンスが到来しました。生業的な意味合いがあって、大企業よりも中小独立経営者向きです。
COCでも、先代が典型的な「ガソリンおやじ」の1SS店を長男が継承した途端に、軽乗用車の新車販売に取り組んで3年間でスズキの副代理店になった会社があります。ガソリンに依存できない時代になって、ようやく、知恵を駆使する「小売経営者」(供給者に非ず)が台頭する時代になったと喜んでいます。
COC・中央石油販売事業協同組合事務局