17、18日の両日、COCの秋季研修会が開催されました。多様な参加者が、夜遅くまで経営を語り合いました。
毎回、講師をお呼びしてテーマに沿ってお話しいただきます。私が気を付けていることはただ一つ、「タブーなし」です。言いたいことを言っていただきます。“独立系はみんな潰れる!”と極論を述べても構いません。(裏付けがあいまいだと突っ込まれますが)。
今回、某理事が「PBは市場のロヒンギャだ」とおっしゃいました。国際的に迫害が問題視されるミャンマーの少数民族です。諸説あるようですが、大英帝国植民地時代に英領ベンガルから旧ビルマに移住したムスリムと言われます。ミャンマー仏教徒との軋轢から政府により迫害されています。
SS業界流に翻訳すれば、資源エネルギー庁と元売(大英帝国)の意向に振り回されて、気が付けば同業(全石連)から嫌われているのが、PB(ロヒンギャ)と言えましょう。
もっとも、PBは今や洟も引っかけられていません。研修会でいろんな話を聞いていると、市場の実態は再編元売系列での新序列を求めて「系列内競争」のるつぼにあるようです。たまに系列特約店の方に会いますが、異口同音に「今は元売の意向に沿っている」と言います。
元売再編の度に、大きなSS淘汰が発生します。なにしろ“昨日の敵と呉越同舟”ですから、市場ごとに激しい接近戦で系列内優位性を競うことになります。元売にとっては、特約店同士の競争の結果、不採算SSがとう汰されて系列ネットワークの精度が向上します。そこに重複する直営SSについても整理できます。
こうなると、系列内でも元売は大英帝国で系列店はロヒンギャですね。“元売の意向に沿って”という考え方を否定しませんが、問題はその元売が再編後の系列制度の在り方を系列店にきちんと説明しているように思えないことです。合併元売だから調整中と言えるかもしれません。しかし、システムやツールはともかく、SS経営の基本は同じです。SS経営者は石油需要が減る中で、変化対応した系列策を求めているはずです。
何度も例に出しますが、パナソニックの家電系列店です。大規模にとう汰されましたが、存続できた電器屋さんは多様に事業とサービスを展開しながら零細店で利益をあげています。パナソニックはHPで対消費者向け、対系列店向けの分かりやすい情報発信を行っています。事業継承にもきちんとした支援制度を作っています。系列店間の横のつながりも、家電経営のキーワードで強化されています。
片や石油業界では、系列店に情報を与えないことが系列制度なのかと唖然とします。ひょっとすると系列制度の外皮をむけば、中には無機質なガソリンしかないのかも知れません。系列店は、ただガソリンを売りお仕着せのキャンペーンに参加しつつ、自分がどこに向かっているのか分からない五里霧中のようです。PBじゃなく、系列店の多くが国境をさまようロヒンギャかもしれません。
COC・中央石油販売事業協同組合事務局