石油連盟の統計によると、ガソリン販売量の前年比は1月が▲1.6%、2月が▲2.9%と相変わらず減販です。暦年で見ると、2012年を起点にすると6年連続の減販で18年は12年比▲10.6%です。
6年で日本のガソリン市場規模が1割強も縮小したということです。系列店が大好きなガソリン集客にポイント4倍とかティッシュを配っても、この様です。なんかマーケティングが見当違いの方向に動いているように見えます。
需要減少は自動車の省燃費や社会動態など構造的なものであり、会員値引きや景品など需要増加時代の方法論を駆使しても費用対効果が合うはずがありません。(元売の販促補助でやれば別ですが)
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市場縮小はSS業界だけでなく、すべての小売業に共通の環境です。コンビニ業界も新規出店が鈍化しています。主要3チェーンで約5万店ありますが、ローソンは19年度の出店ゼロを表明しています。セブンイレブンも店舗増は40年ぶりの低水準を見込んでいます。
また、コンビニもSSも市場縮小に加えて人手不足と労働基準強化(働き方)によって店舗コストがせりあがります。
セブンは19年度のFC店支援としてすでに施策を動かしています。3本柱で構成されています。
①非24時間営業
②省人化
③セーフティネット整備
この3つは有機的に連携しあいます。非24時間営業は直営店10カ所と一部FCで実験営業が始まっています。ここで仮説・検証しながら、仕組みを固めてFC制度を構築するようです。省人化では品出し作業効率を高める棚や新検品システムの導入にセルフレジ実験も開始しています。セーフティ整備では、やはり働き方に対応してか、スタッフ派遣、募集、教育など人事全般および人手不足には本部社員がシフトに入る仕組みも出されています。
発注で「AI発注」とあります。想像するに、単品の動きを複雑な変動要因とのアルゴリズムで、店舗ごとに適正発注をはじき出す仕組みでしょう。さらに店舗レイアウト導入で、お客は買いやすく、スタッフは動きやすい店作りで、結果として作業効率を高めて店舗利益確保と人手不足に対応しています。
ひるがえって、「SSFC本部」たる元売は、加盟店(系列店)が直面する市場と労務など諸問題に実効的なビジネスモデルを提供する考えはあるのでしょうか。
COC・中央石油販売事業協同組合事務局