COCと独立経営<653>マイブームはスマホ決済 – 関 匤

最近、この稿でスマホのQR/バーコード決済(スマホ決済)にふれることが多くなっています。

PayPayがキャッシュバックキャンペーン中で、目に見えて返戻金が増えるので、ちょっとしたマイブームです。利用するコンビニもファミマとローソンに傾斜しています。居酒屋でも増えつつあり、金額が大きいだけにお得感も高まります。

レジスタッフもスマホ決済すると、心なしか嬉しそうに見えます。この年齢で使う奴いるんだと思われているのかもしれません。ちなみに私の決済は某元売クレジットカードと紐付けです。

COCでも加盟店が増えています。ガソリンの決済は給油が終了しないと金額が確定しないので、セルフSSでは少々テクニックが必要です。しかし、クレジット機能を持たないSSでも、私のようにカードと紐づけになった決済が少なくないので、新規客を呼び込めています。スタート月で1日10件の決済というSSもあります。

しかも、キャッシュバック期間中とあって客単価が現金客よりはるかに高いそうです。系列店のように値引きや「ティッシュ〇箱」なんて一切不要です。無償で配布されたのぼり旗3本立てておくだけです。

こういうツールはひとたび小売りの現場に降りると、さまざまなテクニックが生まれます。久しぶりに独立系の知恵が発揮されています。

私はLINEペイにも登録しました。PayPayとLINEは覇権争いの渦中にあり、キャッシュバックキャンペーンの応酬をやりあっています。LINEは4月18日から30日まで「平成最後の超Payお得祭り」を始めました。PayPayの還元上限が1千円に対して、LINEは5千円です。スマホ決済は黎明期にありますが、どんな業界でもこういう時期は物凄いエネルギーを傾注します。

COCで研修に呼んでいる決済システムの専門家によると、今の日本は5年前の中国と似ているそうです。10数社のスマホ決済事業者がしのぎを削っています。同様の中国では凄まじい販促費を投入したアリペイとウィチャットペイ2社が最終的に覇権を握りました。スマホを振るだけでキャッシュバックまでやったそうです。

COCでもPayPay、LINEあるいは楽天と「3本立て」で網を張るSSがふえています。

実感として、小売市場でスマホ決済が大きく拡大することは確実です。20%キャッシュバックの起爆剤で加盟店と利用者が相当の勢いで伸びて短期間でインフラが形成されています。何より消費者と店舗がウィンウィンの関係にあります。小銭の管理が少なくなるほど店長のストレスも減少します。利用率が増えるほど働き方改革にも寄与するでしょう。

専門家によると、スマホ決済含めてキャッシュレス、現金お断りのパスタ店が出現しています。同じチェーンの他店に比べて、店長の管理事務時間が減少して月の労働時間が43時間も縮小されたそうです。その分、粗利を上げるためのメニューや接客サービスなど販売企画に割く時間が増えて、売上げ増につながっています。

新たな決済のインフラを武器にして、利益の上がるSS業態設計に取り組むのが、独立系の現状です。

COC・中央石油販売事業協同組合事務局


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