GW10連休の休載中に元号が改まりました。新元号は凛とした風格があり、新緑の季節も相まって気持ちが新たになります。
今上陛下の生前退位により、平成と違って祝賀ムードに包まれて明るい幕開けとなりました。識者の見立てでは7000億円もの経済効果があったようです。
私は改元の今年は、日本の産業構造が大きく変動し始めるシンボリックな1年になると見ています。
SSに密接に関係する自動車では、国交省が2020年に「レベル3」実用化を明らかにしました。レベル2まではすでに新車に搭載される機器類で対応されています。レベル3は高速道路など限られた区間走行時に、運転者がハンドルから手を離せます。
最近、立て続けに痛ましい自動車事故が発生しています。高齢者のアクセル操作、右折時の前方不注意など人為的ミスによって幼い命が奪われました。いよいよ人間の操作と機械操作のどちらが安全かが議論されることになります。
自動運転で着目しているのは、ここから生まれる派生技術です。GPS、センサー、車載カメラなど基幹技術とAIとIoTによるモニタリングと制御等々です。完全自動運転の日はまだ先としても、基幹技術開発は自動車以外の社会のどこかに応用されます。SSは減少しているとはいえ3万カ所もありますから、応用技術の有力な導入先となるでしょう。数年以内に、SSサービスを一変させる何かが登場する可能性を感じます。
さて、前回も書きましたがスマホ決済です。GW期間中にメルカリのメルペイがとてつもないキャンペーンを行いました。「50%キャッシュバック」です。上限2500円の縛りはありますが強烈でした。しかも、セブンイレブンで使えば「70%」と驚愕のプロモーションでした。1000円使えば、次回は弁当ブラスドリンクをキャッシュバックで賄えます。
この世界もはや「第1次世界大戦」です。第2次はもちろん第3次まで起こるでしょう。スマホ決済は決して目新しいものではありません。10以上の会社が乱立しています。私の想像ですが、彼らは本業ビジネスの会員サービスの1つ、あるいは現金・クレジット・プリカの補完機能程度に考えていたのではないでしょうか。
ところがPayPayが史上最大の作戦を挙行したことで、市場全体に火が付きました。国がひしめくバルカン半島で100年前の大戦が勃発したように、各社がスマホ決済を社会の主軸に踊り上げるために覇権争奪戦に入ってきました。
メルペイのキャンペーンは、軍事用語で言えば「威力偵察」だと思います。砲弾を撃ち込んでみて消費者の反応を探ったのでしょう。これを検証して、イケルと判断すれば主力部隊による総攻撃が始まることでしょう。
お叱りを承知で書けば、元売再編でシェア80%を支配する2社の存在で供給弁ががっちりと絞り込まれたガソリンの世界、なんとなく心地よさ漂う雰囲気に面白さのかけらも感じません。
むしろ今のうちに、今後出現する新技術やサービス業界の変動を自らの業態進化に取り込むことが独立経営と考えます。独立系の自由度を如何なく発揮してほしいと、元号新たな年度に祈念しています。
COC・中央石油販売事業協同組合事務局