ガソリン業転と系列の価格差が広がっていると聞きました。10連休中のPB向け出荷が細ったことで出荷枠なるものが余剰になったそうです。
10日連休もあると人間は移動カ所を変動するようで、複数のCOCのPB経営者に聞くと地域と曜日で随分と給油客に変動があったそうです。また、おおむね売れ行きは芳しくなかったということで、冒頭の出荷縮小を裏付けます。
もう1つ、PB向け出荷が減少した理由としてはローリー繰りが考えられます。取引内容と基地による温度差もあるようですが、オーダーは3日以上前と言われて在庫だけ売り切って連休を楽しんだ方もいます。
運転手不足に加えて元売がローリー大量発注で、一般人が新車を買えるのは1年以上待ちといいます。庸車していると、売れ行きや在庫状況からのオーダー判断が難しくなっています。在庫切れ、その逆で入着したが入りきらない例も少なからず聞いています。
さらに、基地によっては業転出荷レーンを減らしたうえで、営業時間も短縮するところがあるそうです。
役所も業界団体も「エネルギー最後の砦」とか「サプライチェーン」とか「過疎地対策」を声高に叫びますが、ようは、PBはそのらち外に置かれているようです。元売の言う「安定供給」もガソリン5000万㌔㍑を語っているのではなく、ある限られたコミュニティ向けではないのか、と考えてしまいます。
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話は変わりますが、ここ数年のPBの動向で気が付いたのですが、廃業するSSがある一方で新規参入する動きが目立ちます。自動車関係からのSS開設がけっこうあります。
一昨年、アフターマーケットショーで「SS併設のお勧め」ブースがありました。けっこうな人だかりでした。私も経験で分かるのですが“油屋の顔”は見当たらず、明らかに自動車関係者でした。併設事例の写真も数多く紹介されていました。
整備や車販の専門店は来店頻度が少ないうえに、少子高齢化でアフターマーケットの商圏自体が縮小しています。ガソリンの集客力は相当の魅力に映るのでしょう。
実際、COC会員の商圏にも某車検専門チェーンのFCがセルフSS併設で出店しました。目立つ大型看板など告知物が溢れ、店頭に新車・中古車が展示されて、まあ賑やかな店です。そして、ガソリン価格は地域一の安値です。
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ところが、何度か外から見たのですがガソリン価格は安いのに、給油客が入っていません。
おそらく先のブース運営者から、「ガソリンは誰が売っても同じ」、「最安値で大量集客」、「車検や車販の見込み客大量獲得」、などと耳元に囁かれたのでしょうか。
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店舗をよく見ていると、派手な車検や車販の告知が溢れているのですが、ガソリンの告知が埋没しています。自動車屋の感性が強く出すぎて、消費者は自動車屋と認識してもSSとは思っていない、と想像しました。近隣のフルサービスSSの方がはるかに売れています。
今さらですが、新規参入者を見ていてガソリンの売り方にも“本職のノウハウ”があると再認識しました。
COC・中央石油販売事業協同組合事務局