JXTGが来年、ホールディングス(HDS)とエネルギーがENEOSに統合されます。
金属と石油開発はそのままHDSのカンパニーと存続します。事業収益を見極めていくと、勝手に想像しています。
想像勝手に書きますが、事実上の「日本石油回帰」ではないでしょうか。私は企業には発足時の「遺伝子」が宿っていると考えています。エクソンモービルはJDロックフェラー、シェルはマーカス・サミュエルのそれです。
ロックフェラーは、石油流通の効率化を追求した人と考えます。実に敬虔なバプティスト派のプロテスタントで、現世の利得は全て協会に寄付するという人であったと理解しています。
社名に「スタンダード(標準)」と名付けています。それも利益を毀損することなく協会に捧げる仕組みとして、流通組織を合理化・効率化したと思います。神様に利益を捧げるために、中間でピンハネする輩(やから)を許せなかったのでしょう。
EMの商標のESSOも、エッソ、エスオウ…で実はスタンダード・オイルの略称SOからきています。日本のESSOが業界のペースセッター的な存在であったのも、民族系に対する効率的、合理的マーケティングの展開にあったと考えています。
逆に、シェル創始者のMサミュエルはユダヤ人の商人で、ユダヤ財閥のロスチャイルド家のいわば「三下(さんした)」です。日本のアコヤ貝の装飾品を欧州で売って財をなします。商人は総合商社と同じで、いろんな可能性に札を貼ります。10中8つ失敗しても、二つが大成功すればよいという向こう意気の強さがあります。少々の無駄もありありです。だからEMとシェルは対極の関係にあります。
日本の旧ESSO、旧昭和シェルにもそれを感じました。遺伝子です。
うがった見方ですが、JXTGの日石回帰には好都合な前例があります。新日鉄です。鉄の創始者八幡製鉄を主体に経営統合を繰り返してきました。日石の歴史によく似ています。
その新日鉄の現社名は「日本製鉄」です。戦前に八幡製鉄主体に統合した会社名が日本製鉄でした。私の知人の新日鉄子会社社員は話すたびに「日鉄は」と言っていました。都市対抗で新日鉄の応援歌に「ニッポンスチール、GO!GO!」がありました。日鉄と叫んでいました。
新日鉄と関係の深い会社ですから、前例踏襲で日本石油に回帰するのかなと想像します。
下世話なうんちくに行数を割きました。独立系にとっては、日本石油、三菱石油、共同石油、九州石油、エッソ、モービル、ゼネラル、三井であろうがどうでも良い話です。
ただ、石油業界が最終段階に入ったと感じています。SSは石連実験で細部を修正すればAI、IoTによる「無人化」は1、2年後に確実に始まります。特約店の本格的な集約が同時進行します。現在の10分の1の特約口座で完結する世界の始まりを予感します。
ENEOS統合もその文脈上にあるのではと勘ぐっております。
COC・中央石油販売事業協同組合事務局