6月10日のCOC研修会は、手前味噌ながら充実した内容と自負しています。初めて来られたオブザーバーの皆さんも、今どきの石油業界にあってSS商売を真面目に考えるテーマの数々に喜んでいただきました。
COCの某理事は、知り合いのSS経営者に声がけして「研修会へおいでよ」と勧誘してくれます。そうやってご参加いただく方も少なくありません。しかし、“再来店”はほとんどありません。とりわけ系列店は。
某理事曰く、はなから参加しない人は「COCがガソリン安売り集団」と考えています。いつの時代の話でしょうか? 90年代にはそういうこともありました。
しかし、ガソリン高の価格体系にあって、系列店は建値仕切り+大きな事後調整に対して、PB店はキャッシュオンにより仕入れ時点で原価が確定していただけの話です。だから小売価格を系列店より安く売りましたが、仕入れ価格の最終仕上がりは系列・非系列に大差は無かったのです。
まあ、高く売ること(消費者負担を増やすこと)が“真面目な油屋”と言われた時代であり、COCのPB店は「暴力集団」と映ったことでしょう。
でも30数年前の話ですよ。現状のマーケットを見れば「ガソリン安売り集団」どころか、COSTCOさんはもちろん、元売販社、JA、フリートの後塵を拝しております。
某理事曰く、もう1つのCOC研修会に再来店しない理由。「出席すると元売から嫌味を言われる」ということです。
何を勉強しようと経営者の勝手です。サラリーマンの元売様に忖度する必要なんてありません。COCは相当に過大評価して頂いているようです。
以前から考えているのですが、日本の石油業界においてSSはマーケティング的視点で業態分類されていません。「系列かPBか」「石商か非石商か」「ガソリンが安いか高いか」…といった、合理的とは思えない根拠で“悪者づくり”をしているだけです。
米国にNACS(コンビニ協会)という大組織があります。会員の8割がガソリンを販売していますから、SS協会でもあります。流通チャネル・業態をきちんと整理して定義しています。(要旨)
①ガソリンの4割は21社の石油会社ブランド、非系列が6割
②石油ブランドは独自の添加剤で識別。非系列は米国環境保護庁(EPA)基準の清浄剤を添加
③系列店はリースディーラー(SS賃貸)とオープンディーラー(自己物件)に大別される
④石油会社・販売業者が運営者に給与を支給するサラリーオペレーション(いわゆるCA)
⑤非系列の大部はコンビニチェーンがFC店に供給。また、ウォルマート、コストコ、サムズクラブなどハイパーマーケットが6800店でガソリンを販売。この他、1万2800店がキオスクと呼ばれる小型コンビニ
⑥1店舗当たり1日15を販売するが、ハイパーや大型コンビニのバッキーズはその5倍を販売する
-等々、淡々と説明しています。そこには「市況維持」とか「最後の砦」など気負った表現は無く、「いろんな人たちがガソリンを売ってるよ」と述べるだけです。
日本市場の不幸は、小売業=商売に無関心の官僚や政治家、不出来なFCシステムながらも系列店を自家薬籠中のものとする元売、組織維持の業界団体が異常な発言力を持ってしまったことでしょう。
だから商売人が商売の話をするCOCが異常な存在にされてしまいます。政治的な話ばかりで「企業成長」が語られないのが不思議であります。
COC・中央石油販売事業協同組合事務局