COCと独立経営<957>元売アプリの攻略性? – 関 匤

講談社のWEBマガジン・現代ビジネスにこんなレポートが掲載されています。
「東京での子育ては『攻略』を求められすぎて疲弊する…37歳・東大卒の男性が語る『東京子育て』の『残念な現実』」

東京はビジネスと生活インフラが充実し、公共交通網の連携も良く、コロナ禍で一時的に減少しましたが、今年7月に過去最高の人口1426万人に達しました。人口減の中で東京一極集中が明らかです。
そんな東京で高給のビジネスマンが「東京は疲弊する」と述べています。過度の人口集中のために、子供を区営プールに連れて行ったら3時間待ちだそうです。ディズニーのアトラクションならともかく区営プールで休日の3時間を消耗するのは疲れます。
そして「東京は“攻略性”が強い」と言います。攻略性とは、子供連れのアミューズメント施設はネット予約やアプリダウンロードでアカウントを作る等々、より良いものを求めるには準備や手配など“攻略すべきタスク”が増える。予約の奪い合い、これでは仕事の延長に感じて、休日も息抜き感がない。そんな感覚になるそうです。

攻略性を私なりに解釈すれば、「ボクはこのアプリでこんなに得している」「SNSでインフルエンサーになった」と、自分が少しでも他人を差別化するような、上から目線競争を知らずに展開しているのが、東京の生活者とは言い過ぎでしょうか。
くだんの彼が見付けたのがイオンモールです。「ここには攻略性がないから」。とりあえず行けば何でもあるうえに、あれこれ考えなくて済む攻略性が低い場所ということです。生鮮売り場を見るのも良し、フードコートは食堂感覚、テナントの店を見る、子供の遊べるスペースもある…いわばナンチャッテのようなスペースに彼は寛ぎを感じるそうです。


そこでSS業界の話になります。
元売が自画自賛するSSアプリは、思い切り「攻略性」が高いですね。
昔、エクソンとの合併前の旧モービル石油が開発した「スピードパス」(SP)のパクリで、複数の元売が系列プログラムとして推奨しています。旧モービル(旧EMの)SPに関して私は非常に評価していました。
どんなクレジットカードとも紐付けされて簡単に発行されました。その後、信用照会のうえで1週間後から利用できました。私が評価したのは、人間の行動科学というか心理に基づいたシステムだったからです。

ほんのちょっとの時間ですが、財布からカードを取り出しリーダーにインサートして承認されて給油というのがセルフ決済です。SPは(今では少数派ですが)車のキーホルダーであって、接触するだけで給油承認されます。数秒の違いですが、「セルフサービス」を科学した場合、非常に優れた発想と思いました。
で、今や外資が無くなった日本の石油市場となりました。元売はさらに“攻略性”の高いSSアプリを思い切り張って推奨しています。有名タレントも宣伝協力しています。
やはり大企業は違うなと、独立系SSは恨み言を言うしかありません。

アプリに先述の外資専売特許のキー決済を合わせ技をすると、凄い「消費者本位」のスグレモノになっています。店頭価格からキーで「2円」、アプリで「5円」も値引きを得られるというのですから。
「やっぱり親方日の丸、元売系列は凄いな!」というのが、COC独立経営者の実感です。
しかし、アプリを持たない市場の有力店は少なくありません。ガソリン販売はお客の取り合い合戦です。品質差異のないコモディティだから、メリットを与えれば与えるほど、競合者は激しくリアクションします。

そもそも元売アプリって、給油以外に何か必殺の儲けノウハウがあるのですか? 非常に「攻略性」はありますが、私には単なるガソリン安売りツールにしか見えません。
暫定税率撤廃で少しは給油客が増えるかもしれませんが、構造的に燃費が高まる一方の中で、当社だけは維持したいという「攻略ツール」にしか見えません。

COC・中央石油販売事業協同組合事務局


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