COCと独立経営<968>❝異形❞の石油危機 – 関 匤

3月の第2週、第3週の石油卸売価格は系列非系列格差が常軌を逸しております。
3月第2週からガソリンで1リットル20円、3週はガソリンラックは第2週で1リットル21円高、第3週、4週は1リットル25円前後も高いものとなっています。
「緊急的に燃料油(ガソリン、軽油、重油、灯油、航空機燃料)に対する支援を行います。令和8年3月19日から開始します。…全国平均小売価格が、170円程度を超える見込みとなった場合には、その水準を超えないよう、170円を超える部分について10/10の補助を行う。」(資源エネルギー庁、下線筆者)

「170円を超える部分」って何を寝言いっているのでしょうか。
仕入れが「税込みで190円」の会社がいるのですよ。2商社から全量仕入れてきたPBで、スポットを拾うような取引をしていなかったのにこの仕儀です。
周辺の系列SSは「小売価格160円台」ですから、小売より1リットル30円高い仕入れとなっています。これは酷すぎませんか?「業転買いのPBは供給危機になればこんなもんだろう」と嘲笑う声もあるでしょうが…。

1・系列販売とは何か

ここで根本的な疑問です。
石商が元売に陳情して業転排除とうるさく騒ぐことがありました。その際に元売は「業転は一滴も出荷していな
い」と回答するのが常でした。
元売の見解は間違っていません。直接非系列店と取引していませんから。
元売は「特約店」以外には出荷していません(輸出は除いて)。
そして特約店は、地場の「FC特約店」と商社やフリートなど「バルク特約店」に大別されます。元売の出荷政
策でチャネル分けされており、非系列のPBはバルク特約店の直売先=サブ店という位置付けになります。
この同じ特約店でありながら、後者の供給を大幅にカットしたことが「石油危機」の始まりです。非系列流通4RIMが一気に吹き上がり、冒頭のように仕入れが異常な逆転となり、3月中旬までは供給もままならないSSもありました。
方や系列FC特約店は安定供給されて、小売価格で30円前後の優位となりました。同じ特約店流通でこの格差は
「差別対価」でしょう。全石連が、業転安い!と騒いだ時でも、系列最安値との格差は2~3円。系列サブ店とは10数円差がありましたが、それは特約店のピンハネであり業転とは無関係でした。

2・第2次石油危機時の供給

思い出すのは第2次石油危機時の供給です。この時もイラン革命が元凶となり、西側諸国へのイラン原油供給が止まりました。他の産油国の代替が効きましたが、イランは軽質原油だけに中間品不足が起こりました(元売により温度差がありましたが)。ホルムズ危機説もあり中東原油途絶の危機感もありました。
私の記憶では、この時は第1次石油危機の反省から、元売は計画出荷を行いました。全ての特約店に対して、原則「前年実績」で元売によっては中間品で前年比何%削減といったやり方でした。
特約店を平等に扱っており、当時は少数だったPB(無印)も価格も供給も安定していたと記憶しています。

3・非系列を消滅させるのか

そして令和の石油危機は、バルク特約店を締め上げて供給先の中小企業PBを窮地に陥れています。非系列チャ
ネルを消滅させる悪意を感じます。冒頭の補助金支給が始まったこともあってか、非系列指標のRIMは4円程下がりましたが系列は8~9円安です。直営子会社がgogo.gsの安値ランキングに躍り出ています。
資源エネルギー庁は「SS過疎化対策」を熱心にやっています。誰も洟(はな)も引っかけない商圏に補助金
投入して廃止SSをゾンビで再生しようということです。
一方、PBはSSシェアで2割近くあります。そこにはSS当たり数百台、数千台の消費者が付いています。生き
ているSSを差別して窮地に追い込む、これが元売の「安定供給」ですか?

COC・中央石油販売事業協同組合事務局


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