COCと独立経営<650>コンビニコーヒーと働き方 – 関 匤

セブンイレブンに新しいコーヒーマシンが入っています。カップを置いて「プッシュボタン」を押すだけで、ホット・アイス、ブレンドかラテが注文したサイズ通りに出来上がります。

マシンが置いたカップの形状を認識するため、お客がカップを選択して商品選択ボタンを押す必要がなくなりました。この機械は2つの意味を持つと思います。

1つは「ロスの排除」です。“量が少ないじゃないか”と抗議する男性客がいました。この人の勘違いで、ホットコーヒーなのにアイスコーヒーを押していました。また、悪意をもってレギュラーカップにラージの量を入れる人もいるはずです。毎日何件かこういうことが起こっていたと考えられます。

するとPOSレジの単品管理とマシンの原料在庫に少しずつ狂いが生じるはずです。1日200杯、月に6000杯も積み重なりますから。形状認識型の導入は、お客の過失や悪意を排除してロスを極小化し、単品管理の精度を上げることにあると思います。

もう1つの意味は私の想像ですが、「働き方改革」です。このマシンで決済を完結させる可能性が高いと考えています。レジで100円を貰ってレジ操作してカップを渡すまで10秒として、1日200杯で2000千秒つまり33分の労働時間になります。この仕事が無くなれば月に16.5時間余裕が生まれます。

一方、お客にとってはコーヒー1杯でレジ待ちするストレスから解消されます。物理的に手っ取り早く購入できるので、売上げも伸びるでしょう。労働時間を縮小して、かつ売上げを伸ばしロスもなくする。このマシンの狙いと想像するのですが。

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長々とコーヒーマシンのことを書きましたが、同じFCでも石油の系列との違いを感じてしまいます。それは店舗を小売りで見るか供給先で見るかの違いと思います。

小売FC本部の場合、全ての加盟店が本部指導を順守すれば一定の成果を上げることがチェーン成立の大前提となります。それが思うように行かない時代は、コンビニ業界で加盟店トラブルが頻発していました。

検証と再構築を繰り返しながら、それでも問題は発生するので、さらに検証と再構築を飽きずに続ける。これはコンビニに限りません。商売は“飽きない”と言われる由縁です。その延長線上にコーヒーマシンの小さな改善があります。加盟店、お客にとってのよりよい選択肢を考えざるを得ないのです。

一方、供給FC本部の場合は、商品を効率よく送り込む(回転させる)ことが優先されます。この発想で行くと、系列店舗は効率か非効率化が評価基準となるはずです。数量と価格が中心に置かれて、「ガソリン指数」が意味を持ちます。

利益戦略も、昔は担当営業マンが店長と二人三脚で改善を図る事例もありましたが、おそらく今後の主役はコンビニや飲食FC併設などハード的なものとなるでしょう。「働き方改革」もセルフ無人化で解決する方向を目指す可能性を感じます。それは系列内で限られた人たちの世界となります。最大多数の最大幸福にはなり得ないでしょう。

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コーヒー1杯でここまで飛躍しましたが、明らかなことは、系列・非系列に関係なくSS業界では働き方を始め小売りの問題を自助努力で解決するしかないということです。

COC・中央石油販売事業協同組合事務局


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