ある日の私の行動です。
自販機でお茶を買ってから電車に乗り、ある方と喫茶店でお話しして、コンビニで備品を買い、地下鉄で移動し、ファミレスで昼食を摂り、再び地下鉄で移動し、書店で本を買い、喫茶店で作業をして、居酒屋で一杯やって、電車で帰宅。近くのコンビニで飲料を購入。
この間、決済はSUICAとナナコだけでした。ファミレスではスマホアプリで値引きを受けました。
あえて現金を使わない生活を実践してみたのですが、何不自由なくキャッシュレスで完結しました。
若い人たちは、主にスマホをもっと賢く利用しているでしょう。ヤフーやグノシーの飲食店の日替わりクーポンや、お店の専用アプリでもっと大きなサービスを享受しています。
実感しているのはSUICAの利便性です。ワンタッチで完了します。連携する鉄道、バスはもちろんコンビニ、喫茶、書店、飲食店など数多くの店舗で利用できます。
システムも高機能で強靭なFeliCa(フェリカ)搭載です。スマホのバッテリー切れでも数時間は利用できます。
無関係なことを書いていますが、SS決済も東京五輪後を見据えればSUICAシステムのスマホ決済が有効と考えています。やはり「ワンタッチ」の魅力です。
Paypayなどバーコード決済、QR決済が広がっています。私も利用しています。ただSUICAに慣れると、アプリ立ち上げ―QRコード読み取り―金額手入力―承認のプロセスが面倒に思えてきました。
「ワンタッチ」と言えば、JXTGのエネキーです。前身は旧エッソのスピードパスです。
スピードパスは米国モービルが開発して1990年代後半に出現しました。EMが統合した2002年頃、日本市場にもリリースされました。
面白かったのは、手持ちのクレジットカードがあれば紐付きして即時発行されたことです。当時としては先進的でした。
1週間待つと承認の連絡が来て、さっそく使ってみました。ワンタッチするだけで給油が完了すればレシートを受け取るだけです。財布からカードを取り出してもう一度戻す手間がないという数秒の違いですが、心理的に物凄く“速さ”を感じました。
旧モービル時代の社員で「行動科学」を口にする方がいました。米国では人間の行動と心理をマーケティングに応用していたのだと思います。コンビニレジで実感しますが、決済時の数秒は心理的に長いのです。
また、この時点で「非接触ツール」は広く流通業界を見渡してもスピードパスぐらいじゃなかったでしょうか。米国では当たり前だったのでしょう。
その後に登場したスピードパスプラスは、SUICAと同じくフェリカ搭載でした。QUICPAYと紐付きとなり、SS以外の30万カ所の店舗で利用可能になりました。エッソはSS数3000カ所でしたが、先述のSUICAのようにキャッシュレス生活可能なツールでした。
この稿であまり元売系に良い話をしない私ですが、スピードパスは便利なツールとして認識していました。
ただ、五輪後を見据えた時、スピードパスやエネキーなどキー決済もかったるく感じます。私のような後進派でもスマホ決済の利便性を覚えてしまったからです。
NTTドコモの今年1月時点調査で、携帯電話保有者のうちスマホ利用者は男性83%、女性85%です。前年に比べて10ポイント前後も増えています。そもそも携帯普及率は「180%」です。スマホのベースが固まっているのです。
SSPOSもスマホベースに変化することは間違いないでしょう。経産省はSS過疎化対策で郵便局、コンビニ、LPG販売店、宅配便基地まで給油ポイント拡大の構図を描いています。その場合、決済のあり方が大きなテーマになると思います。
COC・中央石油販売事業協同組合事務局