COCもコロナウイルスに負けて、3月4日に予定していた勉強会が中止になりました。地球温暖化がもっと進んで(笑)ウイルスが死滅してほしいものです。
今回はタイトルから脱線します。地球温暖化ですが、2月26日付油業報知新聞にこんな記事がありました。資源エネ庁が大阪で「脱炭素化への挑戦」シンポジウムを開催したのですが、基調講演を行った気象予報士の石原良純氏がこう述べています。
「最近、温室効果ガス増加の影響で台風が巨大化し、水害などの災害が増加している」
温室効果ガスの主人公は、我らの化石燃料が排出するCO2です。九七年に京都議定書が採択されて以降、CO2は世界の悪者とされてきました。私は科学オンチながら、石原氏の「異常気象CO2起源説」がすんなりと腑に落ちません。
山林、野菜類、植物にとってCO2は光合成の貴重な「基材」であり、化学変化の余剰物として大量の酸素を出して空気を浄化しています。海のワカメやコンブも光合成でCO2を吸収します。プランクトンも同様なので、CO2が増えればプランクトンを餌にする魚が増えていいじゃないのかと思います。
気になって気象庁データで東京の気温を調べました。年間の単純平均ですが、京都議定書のCO2削減目標のベース年1990年が17度です。それが91年から2019年平均が16.5度です。2017年15.8度のように大きく“寒冷化”した年もあります。
江戸時代まで遡ると、2度ほど“温暖化”しています。これも調査地点と調査方法、人口や都市化など社会環境の変化もあるのでCO2起源説で説明してよいのか疑問です。
知人から「地球温暖化CO2犯人説は世紀の大ウソ」(宝島社)という書籍を勧められました。10人ほどの専門家が書いています。非常に分かりやすかったのは、気温は太陽の活動と雲で決まるということです。黒点の数で太陽の活発・不活発の周期があって、気温と相関しています。
一方、CO2と気象の因果関係は難しくてよく分かりません。先述の書籍には、CO2起源説を発信するIPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)内部でも、専門家間で異論があるそうです。
インターネットで大量の情報が出る現在ですが、平安時代や江戸時代に世界でどれだけの異常気象があったのかは文書記録に残るものしかありません。石原氏が「災害が増加している」と断言できるのか疑問です。
私は地球環境がきれいであることに何も異議はありません。ようは、エネルギーを効率的に使えばよいだけです。前々回に書きましたが、98年から20年間で乗用車は1.3倍になりました。しかしガソリンは2割も減っています。
つまり、自動車の技術改良と軽乗用車の増加によって、1台のエネルギー効率が40%も高くなったことになります。それだけ石油業界のCO2は減少したのです。スウェーデンの少女が国連でエキセントリックに叫んでも日本のSS業界にとっては「それが何か?」なのです。
分不相応なことを書いていますが、原理原則では理解できない、専門家で異論の温度差が大きいCO2起源説が国家政策の前提に置かれてよいのでしょうか。「2050年までに80%の温室効果ガスの排出削減に向け」(資源エネ庁石油産業競争力研究会)とお決まりの枕詞を書くよりも、「補助金たんまり出すから日本のエネルギー効率技術を全世界に売りまくれ!」と号令した方が納得できます。
COC・中央石油販売事業協同組合事務局