COCと独立経営<704> 消費者心理の変化を考えたい – 関 匤

4月は1日300人前後の感染者が出ていた新型コロナですが、27日までの10日間は30人前後と終息の兆候を見せています。

走行する車両も目に見えて増えています。SSは「GWショック」の大減販を少しはカバーできるでしょう。そして、「アフターコロナ」や「ニューノーマル」という言葉が聞かれるようになりました。

マーケティング関連サイトの「インテージ」が、予想される消費者行動とキーワードをまとめていました。

中期的トレンドとして、①より快適なおうち時間、②回数を減らして・まとめ買い、③感謝・支援活動の3つ。

そして長期的テーマとして、①予防・衛生対エコ・環境、②買物行動の変化、③日常生活のアップデート、④働き方の見直し、⑤SNSの影響力拡大、⑥政府と企業への監視の目の6つがあげられています。

長期テーマの①は、予防衛生意識の高まりが過剰包装や使い捨て容器を増やして、エコ・環境と相反するという意味です。③は在宅生活で馴染んだ体調管理、娯楽、オンライン生活がアップデートされるということです。

買い物行動ですが、最近、飲食店にウーバーイーツのステッカーが増えています。実際に配送自転車をひんぱんに見かけます。ピザなど店でテイクアウトすれば相当額の値引きと消費税も還元されるのに、あえて配達員の手数料を払って定価で買う方を選択する人が増えたということです。

会社で仕事をする人たちの利用も増えたことでしょう。個人の場合、外には一切出たくないのか、対人接触を最小化したいのか分かりませんが、4月末でウーバー利用者6割増とありましたから配達モデルが一気に浸透しています。

アフターコロナの消費行動がSSにどういう形で現れるのでしょうか。あるいは何も変わらないのでしょうか。

COCで本格的にカーケアセンターをSS併設で経営する方がいます。

3月以降、レンタカーは営業停止状態です。しかし、車検、補修、日常点検は微減にとどまり、新車・中古車販売はむしろ好調と言います。カーケアが落ち込んでいる中で異彩を放っています。競合SSがカーケアサービスをストップしたことが1つ、そして明らかに他の整備工場や専門店から移動している、と経営者は見ています。

この時期に特売なんかやっていませんから、考えられるのは「コロナ対策」です。「7つの感染拡大予防策」として店頭告知しています。マスク着用は当然として、入店時の消毒設置、座席の間隔を広げテーブルと椅子を定期的に消毒、小窓開放で店内喚起の常態化、作業後のステアリング・シフトレバー・ドアノブの消毒、カウンターの飛沫防止ビニールカーテン、給油ノズルの頻繁な消毒です。

こういう告知と行動が、予防衛生意識の高まった消費者心理にミートしたのではないでしょうか。

これからのSS来店客は、価格やボックスティッシュよりも、店のクレンリネス、衛生管理状態に対する評価の度合いを高めていくと思われます。

先述のインテージが中期トレンドの③に「感謝・支援」をあげています。

もう1つ別のCOC会員は、フルサービスSSのインフルエンザ対策で、従来からマスク着用やアルコール消毒を行う体制を作っていました。購入ルートから大量のマスクを入手して市に寄付しました。

また、元売直営と広域業者が価格でイタズラをするので、対抗策で値引きクーポン付チラシを配付しました。このチラシに花の写真を掲載して、「大切な人守りたい」とタイトルを打ち医療スタッフの皆様本当にありがとうございますと書きました。販売促進も考え方を新たにする必要があると思います。

COC・中央石油販売事業協同組合事務局


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