COCの某社長から「動きてえぇ~!」と電話がありました。コロナ第二波が明らかになって身動きできないイライラがつのっています。
COCの独立経営者は動き回っては頭を打ちながら学んできた人たちです。事業で興味を持ったら北海道から沖縄まで先駆者に話を聞きに行っては、自社なりに加工して取り込んできました。だから、移動に歯止めがかかるとイライラするのです。
ということで、遅ればせながらCOCでもリモートで会合をやろうという運びになりました。下手を打っても、まずはやってみながら精度を高めたいと考えています。アナログ中のアナログの私がホストにならざるを得なくなりました。
まあ、考えようによっては、コロナのお陰でリモートツールを経験出来るわけです。災厄を奇貨として前向きに取り組んでおります。
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SS業界は、妙な安定感の空気にあるように感じます。
減販が確実の状況を認識して、ガソリンは価格競争を回避しています。入ってくる車がただ給油して帰って行く日常で、それで利益が取れる、それでいいという状況に思えます。
もちろん、和歌山のように百円+αのファンタジーな競争地域もありますが、全般的には利益を維持しています。5月のガソリン粗利は30%という話を聞きました。これってセブン&アイやイオンなど流通大手の粗利益率を上回ります。単品かつ市況商品でここまで稼げるとは凄いですね。
ただし、経営者の意思が「減販覚悟利益優先」は立派ですが、市況商品の相場に乗っかっていることに間違いありません。市況という経営者が恣意的に操作できないものに乗っている状況です。いわばガラス細工の上の脆い小康状態といえます。
化学の世界では、中国の経済活動が動き始めたことでエチレンのアジア市況が高めに推移していましたが、米国のシェールのエチレンの輸出採算性が高まってしまい上値を抑える状況と日経新聞が報じています。シェールは軽質な天然ガス由来なのでエチレンを大量生産できます。
そのシェール業界は、井戸の枯渇が早いために損益分岐点が高くいために原油安で苦境に陥っています。そこにエクソンモービルやシェブロンなどメジャーが買収に動いているようです。
表面的に静逸に見えるSS業界ですが、似たような動きが見られます。元売系列内での運営交代の動きが水面下で深く静かに進行しているように感じます。
コロナの第二波が襲来して、政府の「GoToトラベル」も陳腐化しそうです。減販基調が変わらない状況下で、元売は社有SSの運営者に質を求める筈です。A社は元売の支援を受けて200KLで、B社は自助努力で300KL売れるなら、当然B社に社有SSを付け替えるでしょう。
元売直営でも足を引っ張るような赤字SSなら、自己責任でやれる運営者に移管するはずです。これは、想像で言うわけではなく、私なりにSSの新設や移動状況を調べて感じていることです。
系列外で注目しているのが、JA全農の動きです。農協改革で地域農協の統合が進んでいます。福井県は全県一農協になりました。福岡県も同様に動いており、全国最大の農協になります。SS事業も農協による温度差があり、止めるか残るかの二者択一にあります。
そして、系列非系列に関係なく自己物件で展開する企業は、元売や商社から”ドラフト指名”を受けていると思われます。一見静逸に見えながら、水面下では東京高検検事長の賭け麻雀ではないですが、三暗刻とか清一色へ牌のまとめが進んでいると感じています。売りて買い手の間の「供給の最適ポートフォリオ」への組み替えでしょうか。
COC・中央石油販売事業協同組合事務局