不祥事を受けてのENEOS新役員体制が公表されました。
ホールディングス(HD)と元売ENEOSはじめ役員陣も「旧日本石油色」を薄めた感があります。組織は4月からHDの下に6つの事業会社が並列するものとなります。戦前の財閥組織と同じです。
併せて「コンプライアンスに関する取組みの再徹底に係る進捗について」も公表されています。一昨年の元会長の不祥事に際して制定された5つのコンプラ制度について、社内調査による現状確認を踏まえた再発防止策を策定しています。
5つの制度のうち「内部通報制度」と「役員処分プロセスの明確化」は有効と評価しますが、「役員懲罰規定」では懲罰は有効ながらも、牽制機能は果たさなかったとしています。
「役員選定における人材DD(デューデリジェンス=人材精査)の実施」は、コンプライアンス関連項目へのアプローチが不十分であった。そして5つ目の「役員向け人権尊重・コンプライアンス研修」は、十分であったとは言えない、また取締役の行動管理に係る具体的なルールが定められていない、と結論付けています。
そのうえで再発防止策が制定されました。「従業員が安心し、誇りを持って働ける環境の整備」という項目があります。社員のヒアリングを実施した結果を反映しています。こうあります。「世代、性別、部門等により、様々なギャップがあり、少なくとも変革や改善が必要な慣習、対話によって埋めるべきギャップがあることを把握しております。」
どんな会社でも取締役間、管理職間、本支店間などで様々な問題を内包しているものですが、ENEOSの場合、四半世紀にわたって元売5社が統合した組織ということもあって、ギャップがより大きかったと想像されます。
元売が組織内で何をどうしようが、私やCOCには関係のない話です。
ただ経験的に思うのは、元売社員は上に行くほど牽強付会な態度になる傾向があるようです。
ごくまれに系列特約店の方がCOCの研修会にオブザーバー参加されることがあります。そして二度と参加しません。「面白くなかった?」と聞いてみると、どこから話が漏れたのか、元売支店長から「参加しましたね」と嫌味を言われたそうです。本人はアンチ元売でなくとも忖度が働いて、次回から出席し辛くなります。
元売って図体がでかいのに、やってるacことはちっちゃいなと感じた次第です。こういう話の延長線上が、先述の「少なくとも変革や改善が必要な慣習、対話によって埋めるべきギャップがある」ということではないでしょうか。ENEOSに限らず社内的に忖度や上位者による恣意的な行動があって、社員にストレスが溜まっていると想像されます。
先の再発防止策で、ENEOS特約店さんに影響が出ると思われる個所があります。「取締役の会食出席時のルールおよび取締役に同席する者・同行する者のルールを新たに制定」です。
これもENEOSに限らず、元売と特約店関係は会食とゴルフが重要な潤滑剤となってきました。しかし、サラリーマン組織は規定ができると、一斉に自粛します。コロナ期に飲食店が閑古鳥となったのも、法人客がコンプライアンスで来店しなくなったことに原因があります。
元売社員も窮屈になるでしょうが、特約店も楽しみだった二次会の行き場を失うかもしれません。
COC・中央石油販売事業協同組合事務局