COCの令和7年の初会合「新年研修会」が、13日に行われました。全国から経営者の皆さんが集まるので気遣いもしますし、なにより私と会計担当の社長さんと2人で段取りしますので結構大変な仕事です。
今回、正副理事長が急遽欠席となりました。1人は豪雪の北国で、灯油の取引先が急増したことに寒波が重なりました。もう1人は元売の供給問題です。製油所を止めた結果、遠方から転送しているのですが、海が荒れて品繰りがおかしくなりました。非系列はおざなりにされます。
「安定供給」とか「サプライチェーン」とか「最後の砦」とか言霊ばかりが徘徊していますが、実効性が無ければ「虚構」でしょう。
非系列って言いますが、PBと全農合わせれば供給の20%に達します。単純計算で元売稼働率の2割も貢献しています。装置産業にこの稼働率は多大な利益をもたらしています。それに寄与しているのが非系列供給による利益です。
私は「データオタク」を自負しています。しかも、何の実利にもならないデータを収集してはデータベース化して、一人で悦に入っております。
2016年に思い立って、日本中のSS企業とSS数を調べてやろうと膨大な作業に挑戦しました。
手間を惜しまなければ、割と楽に集める手立てはあります。ただし、企業単位で見ると正確とは言えません。グループ企業まで洗い出さないと本当の勢力図は描けません。とりわけ最近はM&Aが多いので、系列も社名も全く異なる企業が子会社になっています。
まあ、悪戦苦闘して私なりのデータベースを2016年5月末で作って6月のCOC会報に掲載したわけです。(あまり反応なし)
そして昨年、またも思い立ってデータの洗い直しに挑んだわけです。12月末時点です。自慢じゃないけれど、元売HPのSS検索よりも精度が高いんじゃないでしょうか。(しつこいけれど実利になりませんが)
やって良かったですね。「8年」という月日がとてつもなく大きな意味を持っていることを実感しましたから。16年以前の8年とは非なるものです。
この間、とてつもないイベントが続きました。1つは政府の「カーボンニュートラル宣言」、2つめは「コロナ禍」、そして「ロシアのウクライナ侵攻と中東地域の紛争」です。
CN宣言では多くのSS企業が思考停止となり、縮小均衡で出口を探る動きとなりました。コロナ禍が追い打ちを掛けました。一方で紛争により原油は高値に張り付き、ガソリン補助金が支給されることになりました。世界の不幸を糧として、ガソリンは高収益を享受することになりました。
そこで「8年間」です。この時間軸に、萎縮せず積極的にSS網を拡大した企業群がいます。代表例がコストコで、16年5月に4カ所でしたが今年4月には27カ所になります。まとまったSS数を持つ独立系企業は、8年でSSを倍増させました。大手広域企業は不採算SSの整理と並行して、M&Aや新設等でSSを数十カ所増やしています。
この間の石油環境を考えると、高市況と高粗利にSS増加の数量効果もあって、以前に比べてとてつもない企業規模になった筈です。この利益を原資として、M&Aで関連事業の拡充と新規事業分野への進出を図っています。文字通り「再投資可能」な企業となったのです。
“我々石油販売業界は!”と言う方々がいますが、もはや同じ土俵から別世界に飛翔した企業群が「8年間」で幾つも出現しています。積極投資を行った企業群は“我々”を遥かに見下ろして大気圏を超えてしまいました。
COC・中央石油販売事業協同組合事務局