COCと独立経営<925>コストコが「暫定税率」を撤廃した! – 関 匤

3月15日にコストコ南アルプス倉庫店でSSが先行オープンしました。倉庫店は4月11日にオープンします。
SSは「24台同時給油」という超弩級の処理能力です。ガソリン価格は「161円」で始まりました。
南アルプスから北に30キロメートルほど走れば長野県諏訪市です。ガソリン価格情報サイトgogo.gsによるとコストコオープン時点で長野県の平均価格は「190.2円」です。長野の顧客にとっては、「ガソリン税暫定税率」が事実上吹き飛んだことになります。

「開店1時間前から数十台の車が敷地内の待機所に列を作った。現地を訪れたケン・テリオ日本支社長の判断で、45分ほど営業開始の前倒しを決定。午前8時過ぎから10時までの約2時間だけで250台以上の車が給油に訪れた。…ハイオクを約60リットル給油した男性会社員(48)は『今日のために1週間前に会員登録を済ませた。月に100リットルほど給油するので年会費もすぐ元が取れる。混んでない時を見計らい、これからも利用したい』と笑顔だった。」(読売新聞)

「2時間250台給油」は推定7~8キロリットルの給油数量です。SSは12時間営業なので、この日の販売量は40~50キロリットルに達したことでしょう。昔の景品イベントでのトップ級の数字です。


ガソリン価格に逆風が吹いています。長野県石商への公取委立ち入り調査、国会での暫定税率撤廃の攻防戦と、消費者がガソリン価格を強く意識しています。その渦中でのコストコ「161円」です。
「長野県内平均より約30円安い161円。安さを求め、県境を越えて給油に訪れた県内ドライバーの姿もあった」(信濃毎日新聞)
平均190円の長野県から来店した顧客にとっては「暫定税率撤廃」以上のインパクトがあったことでしょう。
SSオープンに列をなす有料会員登録者 (日本テレビ系NNNニュースより)
SSオープンに列をなす有料会員登録者(日本テレビ系NNNニュースより)

画像は日本テレビ系のNNNニュースですが、有料の会員登録に長蛇の列ができています。国会でガソリン価格が争点となり、自民党のグダグダぶりが消費者心理を煽っているのでしょう。

4月に倉庫店がオープンしますが、ここでガソリン販売量も一段跳ね上がることでしょう。倉庫店の商圏範囲がSSよりはるかに広いからです。さらに今回は単独店ではありません。
「農産物直売所とレストランが融合したグローサラントや南アルプスの体験と観光のポータルとなるアウトドアセンターを中心に、地域の農や食と繋がるマーケット、シェアオフィス、櫛形山と連携したMTB(マウンテンバイク)コースなど、地域の魅力を発信する『地域交流施設』を予定しています。」(南アルプス市)
倉庫店以外に、地域への集客軸を持っていることです。高速IC直結の上に富士山を仰ぎ見るスポットでもあり、今年のGWには静岡、神奈川そして長野など近県から相当数の集客が見込まれます。

COCと何の因果もありませんのでコストコを称賛するつもりは一切ありません。むしろコストコの足を掬(すく)うような強力な業態が、COCから出現することを祈念しています。「Z世代」から新機軸が生まれると期待しています。
それよりも、コストコの商圏の広さです。何年経っても市町村でしかSSを考えない政府・資源エネ庁の「SS過疎化問題」なるものを、コストコは商圏の広さで解消している事実です。

ガソリン車は「ガス欠アラーム」が出ても数リットルの残量があるので、市町村を超えて30~50キロメートルは動けます。長野南部の消費者は、どうせ給油するなら安いガソリンをと思えばコストコを選択できます。
集客をガソリンという誰でも扱えるコモディティではなく、独自のマーケティング・マーチャンダイジングでSS商圏を広げるという「建設的な議論」が必要と実感しています。

COC・中央石油販売事業協同組合事務局


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