「米軍とイスラエル軍の攻撃を受けたイランの報復が湾岸アラブ全域に広がっている。各国はイランとの対立で結束を強めイランとアラブの対立の時代への逆戻りが鮮明になった。両者の和解を仲介してきた中国の中東外交にも打撃となる。
弾道ミサイルとドローンを組み合わせた湾岸アラブへの攻撃が止まらない。攻撃が伝えられた国はサウジアラビアなどの湾岸協力会議(GCC)6カ国すべてとイラクやヨルダンにまで広がっている。」(3月6日、日本経済新聞)
米国の電撃攻撃で最高指導者ハメネイ師をピンポイントで殺害されたイランが、報復攻撃に出ています。ラスタヌラ製油所、カタールのLNG施設にも被害が及んでいます。
上記記事に「GCC」とありますが、湾岸協力会議でサウジアラビア、UAE、バーレーン、クウェート、オマーン、カタール6カ国の地域協力機構です。イランと対米、対中の緩衝的な役割を果たしてきましたが、今回の攻撃でGCCの対イラン関係は厳しい対立に転化しかねません。
ホルムズ海峡が封鎖状態です。1979年のイラン革命時にホルムズ封鎖が懸念されましたが、幸い杞憂となりました。原油価格はドバイスポットが5日に90ドル近くまで吹き上がっています。
日本が軍事的に何かできる訳ではありませんが、高市内閣のガソリン暫定税率撤廃は適時打と言えます。初の「200円市況」が生まれかねない状況下で、25円の値下げはパニック心理に抑制効果を果たしていると思います。
情報が錯綜していますが、恐らく米国にとって現状は織り込み済みでしょう。短期に収拾すると期待しています。
せっかく安くなって需要の戻りが期待されたガソリンですが、1カ月で市況が5円以上上がっており客数減が懸念されます。こういう時に思うのは、一部を除いてSSが給油以外に有力な集客軸を持たないことです。
前回、自由化から30年について述べました。何度も書きますが、当時の石油流通ビジョン研究会(旧通産省諮問機関)はSSの4つの方向性に「サービス充実」と「多角経営」を盛り込んでいました。
セルフ解禁を機に、TBAと言われた従来型油外販売からコンビニなど新しい業態開発が期待されました。給油以外の集客軸作りでした。
米欧のSSはコンビニをプロフィットセンターとする業態に転換しました。ガソリンではなくコンビニの優劣が市場競争を左右する状況です。
優秀な日本人経営者であれば、30年あれば米欧にない独自業態開発が可能であったはずです。しかしいまだにガソリン市況にこだわり続けあげくに談合事件です。皮肉にも新業態をチェーン展開しているのがコストコやイオンなど新規参入組です。
私は元売がSS業態革新の「障害」と考えています。元売は石油精製・供給会社です。その部分で大部分の利益を稼ぎ出しています。コモディティの最適供給を考える会社です。間違っても「マーケティング会社」ではありません。
コモディ会社でありながら「系列SSプログラム」を以てマーケティングに口や手を挟んでいます。その主体はタイヤ、バッテリー、洗車などカーケアと、コンビニやコインランドリーなどFCの斡旋です。それを東京の快適なオフィスで指示しています。
カーケアもコンビニも属人的で生業的です。それを指導するなら、元売社員もナッパ服で社員生活を過ごす体制が不可欠になります。でもそんな人いません。コモディティ企業にとって無駄な行動だからです。だから東京で油外商品卸しやFC斡旋でピンハネするのが、元売の最適解となります。
矛盾に満ちた元売のマーケティングなるものに“お付き合い”する特約店。そこからは30年の時を経ても新機軸が生まれるはずがありません。
イラン攻撃の不安を逆手に、旧態依然のガソリンによる系列縛り強化なんて事態は最悪です。
COC・中央石油販売事業協同組合事務局