少し寒くなると乾燥肌で湿疹が出るので医者に行くと、数年前からお医者さんが私の懐具合を勘案してか「薬はジェネリックでいいよね」と言います。安くて、効果があるから満足しています。
先般のCOC研修会でPBの某理事が「われわれは“ジェネリック製品”の調剤薬局だ」とおっしゃいました。けだし正論です。
まず、業転という言葉は、“びっくり仰天”を連想してあまり良い響きがありません。厚生労働省が認可しているのだから、同じ霞が関で経財産業省も“ジェネリック製品”と呼称すればよいのです。厚労省では「GE薬」と略称しているようです。
選択するのは、皮膚科の私のような患者です。効果があるのですから、安くて良かったね、です。ひるがえって、ガソリンは品確法の強制規格品です。系列であろうがPBであろうが、本質はジェネリックです。
しかも、PBは10日ごとに品質分析しているので実態として「元売系列薬局」よりも効能は担保されています。1年間薬箱に放置しているものと、10日ごとに検査しているものを比べて、世間一般の方々はどちらの薬を選択するのでしょうか。
1年間検査放棄している薬に「ブランド料」を付けるメーカーがあったとします。複雑怪奇と言われる医業の世界でも、これはないでしょう。
「GE薬」に向かうはずです。そこで冒頭のように、かかりつけのお医者さんが私にGE薬を推奨するわけです。
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某COC会員会社の周年イベントがあって、一席ぶてと言われました。
この会員さん、多方面に事業展開しているので石油と無関係の聴講者が多数おられました。ただでさえ口下手のうえに、余計な説明をぐだぐだ話す傾向の私です。会員さんの面子を潰すわけにいかず、悩んでいるうちに誰にでも分かりやすい業界の構造を語ればいいということにようやく気付きました。
経産省、元売、全石連の頭の良い方々はとうの昔に分かっていて、年末の忠臣蔵ドラマのように予定調和を演じていたのでしょう。それは業界団体(石油連盟・全石連)、政治、経産省の「ゴールデン・トライアングル」(見事な三角形)です。私に言わせれば、「魔の三角地帯」です。
業界団体は、とにかく「問題」を発掘します。それはある時はPBであり、系列業転格差であり、SS過疎地であり、駆け込み110番であり、緊急時最後の砦であったりします。
何かネタがあると政治家が動き、経産省に出動要請します。経産省は予算獲得のネタになりますから、“ごっつぁんです”とマスコミに喧伝します。
この構造が半世紀間の石油業法の頃から化石のまま21世紀に温存されてきた、という仮説に至りました。業界秩序維持には貢献したとは思いますが、業界団体が本当に業界の実態を反映しているのかは独立系の視点に立つ私には疑問です。
小規模店、系列サブ店、再編元売傘下における事業者の苦しみを代弁しているかに疑問符があります。
とりあえず、医薬品の厚労省に該当する経産省が、「業転」の呼称を「ジェネリック」に変更してくれることを期待します。
COC・中央石油販売事業協同組合事務局