2014年4月16日付ぜんせき新聞より要約。
「自民党石油流通問題議員連盟(野田毅会長)は、元売五社首脳と全石連正副会長に加え、公正取引委員会、資源エネルギー庁を交えた懇談会を開いた。…市場混乱の元凶となっている業転問題の解決など、ガソリン取引の適正化に向け対応策を議論していくのが狙い。野田会長は『互いが攻撃しあうのではなく胸襟を開き、話し合いで解決していきたい』と説明。(要約)
この前年12月に「流通経路証明の立法化」という話が出てガソリン騒動が始まりました。上記懇談会趣旨を読むと、元売と全石連は善なるものであるので話し合うが、懇談会の趣旨からは悪なる業転とPB排除の意思が見え見えです。以来、永田町・霞が関・業界団体による、業転=PBへの中傷じみたお話のオンパレードとなりました。
さて、昨年12月20日に開催された石油精製・流通研究会に、系列ガソリン取引に関するアンケート(野村総研)が出ています。一六七九社が回答ですから、母数はまとまっています。テーマは「事後調整・支援の実態」です。
資源エネ庁調査で、系列・業転格差は2013年10月から昨年3月まで5円台でしたが、4月以降4円台に縮小しています。この数字を前提に「事後調整アンケート」を見ると、PBの皆さんは「業転格差なんて問題ないじゃん」の感想を抱くでしょう。
平均して「5円超」事後調整を受ける会社が外資系一社を除き存在します。「15%」、6社に一社が平均5円超を貰う系列もあります。系列内には業転格差を全く気にせずにやっている人たちが存在します。
また、調整額の最大値があって、「10円超」が元売2社で各2%、6%存在します。業転を超越したウルトラ仕入れ権太と命名します。勘ぐってしまうのが、福山通運で仕入れ業者に水増し請求させて、役員が数億円を着服していた事件です。10円も調整すればおみやげが出ていないことを祈念します。
しかし問題なのは、調整を一切貰っていない系列店の存在です。系列ごとの数値を単純平均すると「48%」になりました。
私は、系列内に仕入価格の格差が存在すること自体は特段おかしいことではないと考えます。業転取引でも、PBによって高い・安いがあります。問題は、PBが取引数量、引き取り方法、取引継続性、信用等々の取引条件で決まるのに対して、系列内に基準が存在しないこと。サブ店はどうなっているのでしょうか。
アンケートで15%が「仕切り価格の構成要素が明示されていない」と答え、この人たちの九割が不公平と答えています。一方、定期的に交渉する人の場合、不公平感は66%まで下がります。要は声の大きな人が少しでも有利になるのが系列の実態です。
「胸襟を開き、話し合いで」決まるのが系列内格差です。石油議連・野田会長卓見ですね。
COC・中央石油販売事業協同組合事務局