COCと独立経営<784> ガソリン上げ下げまでのお節介 – 関 匤

ついに「ガソリン価格夜警団」が出現しました。

「萩生田光一経済産業相は…卸売価格が据え置かれているにもかかわらず小売価格を上げている業者への現地調査を来週から始めると明らかにした。」(産経新聞)

えらくこまい所に入ってきました。箸の上げ下げまでのお節介という言い方があります。今回は「ガソリンの上げ下げまでのお節介」です。夜警団はどういう介入をするのでしょうか。元売が特約店の小売価格にお節介すれば、再販価格の指示で独禁法一直線です。もし政府が介入したら?

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「ガイアの夜明け」というTV番組でコンビニ・ローソンの商品開発部隊を特集していました。

近年のコンビニはオーバースペックではないかと思うほど、商品のクオリティを上げる競争になっています。セブン―イレブンがグループのデパート事業を売却するのも、物言う投資家の「高収益のコンビニに特化すべき」という提案を顧慮したものと思います。米国でも大きく拡大した上に、かの地でもコロナ禍で独自商品開発競争が急激の度を増しています。情報誌によると、店内飲食のクオリティ開発競争となっており、スピードに付いていけないチェーン(SS)が有力店によるM&Aで次々と舞台を降りています。

そのためにセブンは、ホールディングス傘下に、セブン日本に加えてセブンインターナショナルを置いてグローバル戦略を再構築しています。凄い競争をする業界です。

番組のローソンは店舗の厨房を整備して、作り立て弁当や総菜類の開発に力を入れています。担当者は新商品を試食していけそうと判断します。同時に「店舗厨房で作ると品質にばらつきが出そう」と言いました。そしてアルバイトスタッフが調理しやすいように弁当のおかずやサラダをあらかじめ適量にパックして提供するようにします。厨房のある店舗で実際に作って出来上がりを判断していました。

コンビニの歴史は加盟店との係争の歴史でもあります。数多くの痛い経験をして、加盟店と消費者支持を大前提に商品開発している様子が分かりました。セブン―イレブンの組織図を見ると、一番上に「お客様」が置かれています。2番目が加盟店、投資家、地域です。

この番組を見ていて感がえさせられたのが、SS業界の商品です。誤解を恐れずに言えば出発点が「儲かりそうだから」、「やらないと利益が出ないから」にあります。

元売や販売業界の本部の意向だけで、コンビニなら加盟店にあたるSSスタッフや消費者の意向が忖度されているのか疑問です。給油―洗車―オイルやタイヤ交換等―車検―車販というカーライフサイクル図は机の上で簡単に描けます。

しかし、実態として車検制度がSS業界に開放されて四半世紀になりますが、こういうサイクルをモノに出来た会社は幾つあるのでしょうか。結局、モータリゼーション黎明期から綿々とキャンペーンをやり続けています。道路もクルマの機能も劇的に変化した令和の時代に、「声掛け油外」の努力対利回りはかなり悪化しているはずです。もちろん、コンビニ商品とまったくビジネス構造も消費者ニーズも異なりますから、一概に否定はできません。

それでも、カーショップでもディーラーでも整備専門業者でもない、SSに適合してスタッフの負荷も少ないビジネスモデルの進化形は現れないのでしょうか。EVが走ろうともアフターマーケット事業は必ず存続しますから。

COC・中央石油販売事業協同組合事務局


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