COCと独立経営<787> 「乗用車保有台数が減少する日」 – 関 匤

ヨーロッパは19世紀に戻ってしまいました。「帝政ロシア皇帝」が再来しています。

この侵略は、まったく「大義」がありません。ヒトラーに攻め込まれた時の大祖国戦争でもナポレオン戦争でもありません。大義が無いので、前線のロシア軍兵士も戦意が上がらないことでしょう。

逆に、ウクライナ人にとっては大祖国戦争です。ロシアはかなり入念に作戦準備したうえに3方面から攻勢をかけました。得意の機甲作戦で電撃的に短期勝負を付けようと構想したのでしょうが、ウクライナ軍は奮戦しています。ゲリラ戦も駆使していると思われます。

しかし、酷いのは市街地へのロケット弾攻撃です。マンションを破壊しています。一般市民がいると分かっての軍事攻撃は虐殺行為です。そんな時に我が国会では、立民議員がウクライナ対応とは無関係な質問を繰り返す“お花畑ぶり”です。緊急時の優先順位を考えないのですね。

この稿のテーマとは無関係ですが、欧州のあの地域は歴史的に大戦争の火種になってきたので心配しております。ロシアがウクライナを制圧するような事態になれば、次は必ずトル2二月までの乗用車販売台数を公表しています。

2021年暦年で96.8%です。4―9月は2.3増でしたが、半導体不足が深刻化した9月以降は6カ月連続の、しかもまとまった減販が続きます。

ようは「玉不足」なので、いずれ正常化するでしょう。考えてしまうのは、ガソリンと同じように乗用車の登録台数そのものが減少に転じることです。

自動車検査登録協会のデータを見たのですが、乗用車保有台数は2021年3月末で前年比0.9%増です。全都道府県で前年を上回っています。ところがこの数字、2018年と比べるとシンボリックな兆候が表れています。東京都、山形県、秋田県で前年比マイナスに転じていることです。

18年比で東京▲0.6%、山形▲0.1%、秋田▲0.7%です。日本で2番目に保有台数の大きい(1位は愛知県)東京の0.6%は、最も台数の少ない鳥取県の5.1%に相当します。仮に月に1台60㍑のガソリンを使っていたとすると、年間で「1万2700㌔㍑」に相当します。

すでに始まっているのが、高齢者の「自動車リタイア」です。警察庁データで免許取得者数を見ると、令和元年度に総数で前年を割りました。2年度はさらに下回っています。

高齢者の「免許返納」が効いていると思われます。平成23年に7万人だったそれが平成27年から急増して、令和元年に60万人を超えています(2年は55万人)。

70歳以上の免許取得者は全体の15%を占めます。65歳以上を加えると23%、4分の1となります。16歳から34歳のそれは20%です。運転者の絶対数が確実に減っていきます。保有台数そのものの減少がもはや目前に迫っている状況です。

加えて「YとZ世代」が担っていると思われるカーシェアリングへの移行も進んでいます。タイムズでは毎月2万人前後ずつ会員数を増やしています。1月で177万人です。タイムズだけで会員数は免許取得者数の「2%」となります。16―19歳の免許取得者数と同じ比率です。

すでに起こっていると思うのですが、ガソリン集客からスタートする油外収益といった方法論は限界を迎えています。ガソリンが年々「磁力」を失っていきます。象徴が「コストコ」ではないでしょうか。大部分のコストコ来店客は食品の大量購買に来ているのであって、SSを目的に数十㌔㍍も走るほどヒマではありません。買い物ついでにガソリンが安いから給油するだけです。顧客のメイン動線はコストコ店舗です。

てなことを先日のCOCリモート研修で考えました。

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