COCと独立経営<829>元売直営SSの大盤振る舞い販促 – 関 匤

「gogo.gs」はSS関係で最も利用されるWEBサイトでしょう。私も毎日チェックしています。

COCの某経営者は、毎日の全国価格ランキングにCOC会員のSSを見つけると社長さんに電話を入れます。その時こう言います。
「公正取引委員会です。ランク入りおめでとうございます!」

2月2日現在、兵庫県姫路市で「145円」で戦っている2カ所がトップです。ℓ粗利は5円あるのでしょうか? COC会員のSS2カ所が「148円」で8、9位につけていますが、姫路ほどの値段は出せないでしょう。
ENEOSと出光が市場を支配してからは「東高西低」がこのランキングに明確に表れています。gogoサイトの平均を見ると、元売直参旗本が集中する首都圏は関西より4~5円高となっています。

粗利が取れているためか、首都圏のENEOS直営子会社が思い切った価格値引きを行っています。「ガソリン10円引きクーポン」です。
gogoサイトで確認すると店頭162円ですから、「152円」で給油できます。この地区の最安値はPBで「151円」ですから、元売マークのブランド価値は「ℓ1円」ということになります。
東高西低と激変緩和事業のお陰で粗利が取れているのでしょう。しかし、一般のお店ではやれない価格販促です。元売の連結決算会社ですから原価を原油で考えられるのでしょう。羨ましい限りです。

WEB検索したら消費者のブログが見つかりました。2022年の3月にオープンしているそうです。
4月に来店してガソリンの安さを絶賛しています。「ENEOSのガソリン代がリッターあたり10円引き! 超お得な5つのキャンペーン」です。

「QRコードをかざすとレギュラー、ハイオク、軽油すべて1ℓあたり10円引きを実施しています。キャンペーン期間後はLINE会員限定で6円引き」とありますから、オープン販促を今も続けていることになります。プラス食器洗い洗剤進呈と洗車は配布されるQRコードで半額。さらに3カ月間ボックスティッシュ5箱プレゼント。「手洗い洗車1000円」…とさすが大企業、大盤振る舞いしています。

私は販促活動に目くじらを立てる者ではありません。ただ、戦略的な目的は必要です。販促費を投資するわけですから、「利回り」をどこで取るかです。例えば、車販を狙うのであれば、購入者に相当額の景品や次回車検までのガソリン大幅値引きを付けても投資の意味はあります。

オープン時の10円値引きを継続するENEOS子会社も何らかの戦略を持っているのでしょう。
でも、こういう販促をCOCのPBがやったらどうなるか。業界紙には「暴戻(ぼうれい)なるPBの価格破壊!」といった見出しが躍ることでしょう。でも、元売子会社に関する批判記事は見当たりません。

SDGsなるものの直撃を受けている元売からすれば、サプライチェーンを効率化する意味でも、物流効率と販売生産性の高い大型SSに集約することは間違った戦略ではありません。昨年9月末で元売社有SSは全体の26%、約6000カ所あります。この中で見極めをしながら、立地と設備でSSを選別して、1カ所で10カ所分販売できる体制を整備するでしょう。

COC・中央石油販売事業協同組合事務局


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