先週21日の水曜日、東京日本橋でCOC新年研修会を開催いたしました。登壇された講師が、3人とも思い切りエッジの立った方々で、参加者はかなり気合が入ったと雰囲気で感じました。
①ガソリン市況補助(激変緩和)延長に甘んじる「石油村企業」になるのか、あるいは「企業家」として10~20年先の布石を打つのか
②ウクライナ戦争とイスラエルのガザ攻勢で分断化が進む国際情勢と地政学。エネルギーと国家リーダーの人材不足
③SS経営者の気概を受け止める大組織
④零細SS経営者の商圏と新たな関係
ざっくりですが、こういった内容でお話をうかがい、質疑応答しました。
エネルギーと自動車社会の上流から下流、それも顧客接点まで、地政学も絡めて分かりやすくお話をいただいた素晴らしい講師陣には感謝しております。
手前味噌ですが、誰がどう見ても石油業界で最高の価値ある研修会と自負します。なぜなら、シンクタンクなど“えらい人たち”主催の研修会・講演会・シンポジウムといったものは「予定調和の世界」ですから。
予定調和とは、あらかじめ落としどころが決まっていることです。水戸黄門や赤穂浪士のドラマ、あるいはワイドショーのコメンテーターです。筋書き通りの演技やコメントです。表現はきついですが、“毒にも薬にもならない研修会”ばかりです。肝心なことをSS経営者に教えてはならない、それは個別の密談で、ということなのでしょう。
COCはオープンを旨としております。お呼びする講師の方々には、COCに一切忖度することなく耳障な話でも伝えたいことをお話しください、と言っております。原理原則でエビデンスのある話なら、「独立系などいなくなれ!」という講師でもウェルカムです。
良い話も悪い話も聞き入れる度量が必要と思います。これって、SS経営者にはけっこう難しいことです。自分の生きる世界が「地球」ですから。
新年研修会の最中に、後ろの席のAさんが私の背中を叩きました。スマホを突き出して「これ!」とささやきます。
「ENEOS会長セクハラで解任」というニュースです。こんな古いニュースを研修会中に見せるなよ、と記事の日時を見たら今でした。再生エネルギー子会社JREの会長が昨年12月下旬に懇親会で酔って女性に抱きついたとありました。
私自身は典型的な昭和の人間であり、明治の祖父、大正の父の味付けもされているので、性的暴行は論外ながら、酒席で女性とイチャツクことは問題視しておりません。
正直に告白すれば「コンプライアンス糞くらえ」本音です。
ただし、21世紀に入ってからの上場企業や大企業は「コンプライアンス」を標榜してしまいました。これは諸刃の剣です。ENEOSは社員向けメッセージで行動基準の基本理念をこう記しています。
1・自分や周囲の人たちの行動は、法令などのルールや行動基準、あるいは高い倫理観に従ったものと言えるだろうか?
2・自分の行動は、家族や友人など身近な人に堂々と説明できるだろうか?
3・第三者や当局に質問されたり、マスコミに報じられたりしても胸を張って対応できるだろうか?
こんな立派な文言を作ってしまって、それを反故にしたのが経営トップたちです。トップが行動基準を破壊すれば、社員のモラルは昭和に戻るしかありません。
COC・中央石油販売事業協同組合事務局