1. 3月末SS数
資源エネルギー庁が今年3月末(2023年度末)のSS数を公表しています。
都道府県別SS数のデータは、私が加工してCOC会報に掲載しています。加工するのは、資源エネルギー庁のフォーマットではマーケティング資料になりえないからです。
役所は各経産局別に都道府県を括っています。これは管轄別に掌握するという意味はあります。
しかし、実戦の市場は経産局別に動いているわけではありません。同じ関東経産局でも新潟県、山梨県、長野県、静岡県さらに北関東と首都圏は、明らかに市場性とプレーヤーの顔ぶれもかなり違いがあります。中国では鳥取・島根と岡山・広島・山口は市場としては別物と考える必要があります。近畿に福井県が入っていますが、富山・石川とのエリアの連続性が強いと思います。
私の場合、北海道と東北は全域、北関東3県、甲信越3県、静岡は愛知・三重・岐阜と東海中京、北陸3県、京滋、阪神、紀和、山陰、山陽、北九州4県、南九州3県、沖縄という区分に整理しています。これで満足しているわけではありませんが、少なくとも経産局別に見るよりもマーケットの実態に近いと思っています。
2. SSアプリは安売り告知システム
元売各社がSS専用アプリをリリースしています。
某系列SSではアプリ導入を条件にけっこうな販促費をいただいているようです。元売が何か新しいことをやると、人参をぶら下げるのは昔ながらの伝統芸です。令和になっても彼らの頭の中味は昭和のままなのでしょう。
で、スマホアプリを見せてもらったのですが、「5円引きクーポン」のオンパレード。何のことはない、SSアプリとはガソリン・軽油の値引きマシンでしかありません。
その昔、“業界自主判断”?で価格表示を全く行わない時代がありました。某大手フリート企業は日本中のSS防火塀に「業界ナイショ価格」と大書していました。石油業界以外の会合に出た時に、複数の方から“あそこのキャッチ面白いね”と言われました。
令和になっても石油業界はガソリンの価格ばかりですね。アプリは確実に価格の安い、立地設備の良い(処理能力の高い)SSへと顧客を誘導するでしょう。「5円引き」で。
こういうところに「問題提起」しないのでしょうか。
3. 忘れた釣り銭の行方は…?
COC会員ではない系列セルフSS経営者にお会いしました。「セルフ給油時の釣り銭忘れ」の話題になりました。
多くのセルフSSで、消費者は給油後にレシートに印字されたコードを釣銭機にかざして釣り銭を受け取ります。これを忘れる方が一定割合存在します。この会社ではデータで記録しているので、後日、釣り銭忘れを申告する方に返金しているそうです。ただし、忘れたままの方が多くて、年間で数十万円に上るとのこと。仕方がないので、決算時に「雑収入」で計上してきました。
さてこの会社は、長年付き合ってきた税理士が廃業したので、新たに会計事務所と契約しました。石油販売関係で少なからぬ顧客を持っている事務所だそうです。
初の決算事務の際に、会計士が「この雑収入は何ですか?」というので「釣り銭忘れ分です」と答えたところ「ハ~?」と首をかしげたそうです。他のクライアントたちもセルフSSが相当数に上るのですが釣り銭忘れの雑収入計上は「ゼロ」だそうです。
「毎年全ての釣り銭忘れをすべての顧客にきちんと返却している」なら良いのですが。深入りするとヤバそうなので余計な想像はしませんが、意外なところに「闇」があるかも。
COC・中央石油販売事業協同組合事務局