新年明けましておめでとうございます。
私は昨年最後の原稿で「大ポカ」をやってしまいました。Gメール添付で送稿するのですが、フォルダを間違えて「2020年12月」の原稿を添付してしまいました。WEB版で“なんだ?”となり、メールの添付データを確認してのけ反ってしまいました。
ただし、新聞社への問い合わせ・抗議もないようで、いかにこのコラムを読む人がいないかということを実感しました。あるいは4年前の原稿に気付かないほど、この業界が変わっていないということでしょうか。
昨年12月18日、ガソリン補助金減額の前日です。関西某所を広域に走ってSSを見て回りました。セルフSSもフルサービスSSも値上がり前の「駆け込み需要」で(SSによる温度差はあるものの)賑わっていました。灯油客はもちろんですが、年末ということもあるのでしょうが、平日ながら洗車客も目立ちました。
某流通施設のSS(コストコに非ず)は、同時8台のレーンが満車でその後に同じ数の給油待ち車両がつながっていました。広大な駐車場を持つ強みで、待機車両用に導線スペースを設けています。駐車場だけでは利益を生みませんが、導線を利用すれば短時間で1台数千円の売り上げとなります。
首都圏と違って、関西圏は系列非系列ともに競争するSSが少なくないので150円台あるいは「〇円安」など「補助金最後の晩餐」の光景でした。
今月19日にも「補助金減額第2弾」がやって来ます。告知をうまくやれば、駆け込み増販を呼び込めるでしょう。
もっとも、駆け込み給油とは「需要の先食い」です。
現下の原油情勢だと補助金切れごとに店頭価格は値上がりします。ガソリン価格サイトのgogo.gs(補助金の前提となる石油情報センター調査よりはるかに実勢値に近いです)によると、全国平均レギュラーは「177.2円」です(1月9日現在)。
単純に考えれば1月19日以降は、「182円」前後になります。NIMEX先物を見ると年明けから騰勢で年末比5ドル/バレルほど上げています。円安も考慮すれば最高値で「190円」が出現するかもしれません。駆け込みの「先食い」は昨年12月より大きくなることでしょう。
元売は「補助金削減特需」というか、1キロリットル当たり利益を享受していることでしょう。
マーケティングの原則として市況が高い時は「お得情報」が効きます。原油価格が大きく変わらなければ補助金削減ごとに市況は高くなりますから、仮需をいかに取り込むかという戦術が活発化するでしょう。
元売は系列クレジットプラス給油アプリの“合わせ技”で一生懸命「需要の先食い」を行っています。
皆さん横並びの特典ですが、
①入会1カ月5円引き
②アプリでさらに2円引き
③買い物に併用すれば最大10円引き
④永年年会費無料
さすが利は元にありの“御大尽”、原油価格で粗利を考える方々は素晴らしいですね!
業界で「問題」になるのがコストコです。コストコのガソリン価格は1月8日時点で、最安値の岐阜羽島で154円、最高値で161円、平均156~157円といったレベルにあります。安いですね。
でもこの価格を享受するには、「年会費4840円」が絶対条件です。クレジットはマスターカードかコストコグローバルカードが使えます。後者は初年度会費無料ですが、次年度からは1375円が賦課されます。
商売として元売とコストコは消費者にとってどちらが「まっとう」でしょうか。需要先食いのために消費者に人参をぶら下げて、後は「釣った魚にエサは要らない」とうそぶく人たちに対して、gogo.gsの関西中京の独立系は仮需の先食いよりも「エブリデイ・ロープライス」こそ正道の哲学を感じます。
COC・中央石油販売事業協同組合事務局