COCと独立経営<926>伸びきった供給兵站線の脆弱さ – 関 匤

信濃毎日新聞が飛ばしています。
県石油商業組合(長野市)を巡るガソリン価格のカルテル疑惑で、県農協グループは24日、ガソリンスタンドを運営する一部の農協に石商側から価格改定の事前連絡があったことを受け、今後は「そういった連絡は受けられない」と断る方針を明らかにした。
全石連の「ぜんせき新聞」を読むと、各地の石商で「全石連に発足するコンプライアンス委員会に連動して法令順守の徹底を」という声が上がっています。


さて、先日COC理事が集まったのですが、そこで喫緊の問題点となったのが「供給問題」でした。油槽所の出荷規制や突然の停止が散見されて、冬場の灯油は綱渡りだったという方もいます。地域によっては系列店にも支障が出ているという話も出ました。

問題点・要因を整理すると、次のようになりました。以下はCOC理事が得ている各所情報をもとにまとめます(勘違いあればご容赦を)。
① 製油所閉鎖
② 船員法改正に伴う内航船の稼働減少
③ 油槽所の在庫不足

「製油所閉鎖」と「船員法改正」が不都合にリンクして「油槽所の在庫不足」を引き起こしているようです。
製油所稼働を止めて油槽所化したことにより、遠方の製油所から内航船による転送が行われます。しかし、船員法改正で労働時間が縮小されて、稼働船腹が不足しているそうです。内航船舶の輸送量は20%も減少しているそうです。そこに製油所廃止で内航船による転送が増えています。

こういう要因が油槽所の揚陸時間までのリードタイム(日数)を伸ばす結果となっています。結果、船が入ってもたちまち在庫不足に陥る状況です。

系列供給でも、某元売は油槽所エリアで「多カ所卸し」をやっているそうです(今時!)。1台のローリーで数ずつ複数SSへの配送です。
現在の国内石油供給は、製油所閉鎖後のスムーズな流通を維持するどころか、内航船の稼働減少も相まって石油輸送の兵站線が伸びきった状況といえます。これは極めて危険です。もし大きな災害が起こった時、しかもそれが油槽所供給エリアであった場合、たちまち供給パニックとなります。

大災害でなくても、台風で海が荒れれば油槽所エリアは供給不足となります。優先順位は系列店となるので、PBは指をくわえてSS休業ですか。「PB殺すに刃物は要らぬ台風1つ吹けばよい」ですね。


平常時にこんな供給体制とは恐ろしいことです。
緊急時対応を真摯に考えるならば、流通の自由度を高めることです。元売再編で締め出された商社等に油槽所を開放することです。石油村の安定供給論は業転流通をはなから排除して、元売主導の供給論で話されています。

しかし、第一次、二次石油危機、湾岸戦争、東日本大震災時に、供給状況を緩和したのは業転の存在でした。余剰があったから乗り切れました。商社の自由度があったから、東日本の際にはCOCのPBで24時間・満タン給油を継続したケースもあります。

あらためて言いますが、現在の供給体制は平時にあるにも関わらず極めて危険、「累卵の危うき」にあるのです。

COC・中央石油販売事業協同組合事務局


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