COCと独立経営<932>もしも補助金が無かったら? – 関 匤

ガソリン価格情報サイトgogo.gsでは5月22日から「補助金切り下げ効果」が現れています。

ランキング40位までが160円以下、最安値は同一企業の2SSで「153円」です。これを含めて8SSが155円以下となっています。値下げ初日ですからこの稿が出る頃にはさらに値下げSSが増えていることでしょう。

一方、話題のコストコですが、会員専用とあってgogo.gsに価格は出ていません。しかし熱心なファンがいて、5月22日時点で全国の店舗ごとの価格をネットにアップしています。平均が「159.8円」(沖縄を除く)で、最安値が中部国際空港の155円。27店舗中7店舗が150円台です。高値はかみのやま、東近江の162円であり全店が平均価格前後に価格分布しています。

gogoサイトの全国平均が178円台なので、上記の安値グループとは20円違っていることになります。前回書いたように「22日から値下げ」とマスコミがアナウンスしていることもあり、拙稿を書いている今週末に価格変動が起こるものと想像されます。


補助金というものは、コスト負担に苦しむ企業に対して、国や自治体が資金援助する。それによって機器やシステムの導入コストを低減して、業界の投資を促すことで経済活動を活性化するものと理解しています(色んな種類の補助金はありますから一概に言えないでしょうが)。
2022年から実施されてきたガソリン補助金の場合は、「小売市況170円」のシーリングプライスを設定して、それ以上の高値市況との差額を補助金支給してきました。最大時に約40円という大きな時期もありました。
それによって全国平均ガソリン市況が170円台に抑制されてきたということです。

是非を論じるほどの見識はありません。しかし、もし補助金無しだったらどうなっていたかを考えることがあります。

大手元売の供給寡占状態にあって、ウクライナ戦争以降の原油暴騰に対して、元売は原油コスト増大分を仕切り価格に転嫁します。だから資源エネルギー庁資料にあるように、2022年は「200円超えガソリン市況」となったでしょう。
一方、原油コストは元売によって異なります。精製稼働率、物流経費、販売の効率性も各社異なります。この部分で「競争」が発生した可能性があります。200円を超えれば当然、大減販となったでしょう。それも競争を促す要因になります。

一方、最初から補助金ありきとなると、元売は利益確定してしまいます。競争のインセンティブが働きません。(「メンコ」の特約店に対する販促補助ぐらいは出るでしょうが)


補助金と言えば、COCでこんな話がありました。
某経営者がガス関係で設備投資を考えて、機器メーカーから見積もりを取りました。しかし予算に合わないので、その時は諦めました。
2年後にくだんのメーカーの別の営業マンが「補助金制度ができたのでお安くなります」と売り込みに来たそうです。見積書を見た経営者は、2年前に貰った見積書を引っ張り出しました。
補助金付きと称して、ちゃっかりと「元値」をフカしていました。もちろんお安く購入できたことは言うまでもありません。
※別に元売が補助金をガメっていたなんて言うつもりは毛頭ありません(くわばらくわばら)。

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