これは朝日新聞のスクープですね。
「運送や建設業者向けの軽油販売で価格カルテルを結んだとして、東京地検特捜部は近く、法人としての石油販売7社を独占禁止法違反(不当な取引制限)の罪で起訴する方針を固めた。公正取引委員会から告発を受ける。各社の担当者ら個人の起訴は見送る方向で検討している。関係者への取材でわかった。」(同紙)
独禁法違反です。長野県石商支部のカルテル問題では課徴金が17事業者に1億6000万円でした。この時の違反期間は51日間でした。フリートの場合、取扱数量がケタ違いに大きく期間の認定次第では、課徴金がとんでもない数字になるかもしれません。
前回書きましたが、COC会員が知人のトラック協会理事から「石油の人と話もしたくない」と“塩対応”されました。インタンク停止と供給問題でごたごたしている時ですから、地検の起訴は火に油を注ぐことになります。
本当に昨年から今年にかけて、消費者の神経を逆撫でする石油村です。
詳細は述べませんが、3月以降、COCの理事各位は高い交通費を払って(自腹です)東奔西走して、まさに藁をも掴む気持ちで非系列の窮状を訴えています。
資源エネルギー庁が3月12日と19日の2回にわたって元売に対して「系列・非系列問わず、石油の安定供給という社会的責任のもとで偏りなく供給する」旨の要請を行っています。4月6日に記者会見した同庁の細川成己危機管理統括調整官(肩書は略称)は「この要請は(エネ庁としては)かなり踏み込んだ内容」と見解を示しています。
ただし非系列の実態は、2回目の要請が発出された19日以降も供給カットが続き、同日の補助金支給後1週間は系列価格との格差がさらに拡大する状況が続きました。要請は誰かさんには“カエルの面になんとか”だったようです。
4月に入ってからようやく改善されていますが、系列安・非系列高は変わらず、新会計年度は赤字で始まりました。非系列経営者の気持ちは、先のトラ協理事と同じです。
50%と30%の統合元売が出現してから、明らかに市場は流動性を失っています。
一昨年には、インバウンド活況の夏場に「ジェット燃料供給問題」が起こりました。桃山学院大学の小嶌正稔教授はこう述べています。
「(元売合併以来)内航海運を含む物流も、元売ごとに専属化・系列化していった。これにより、比較的自由に動いていた内航船が姿を消し、輸送能力のバッファーが消えた。合併を認めた公正取引員会は精製のみに注目し、物流の競争には目をつむり続けた。結果として効率化は実現したが、それ以上に『硬直化』を招くことになった」(詳細はダイヤモンドオンラインで)
3月からの明らかな非系列締め出しは、ジェット燃料で“予行演習”していたと穿ってしまいます。ジ燃と同じようにSS流通でも基地から物流まで系列化が進んでいます。基地の系列化や閉鎖は、商社の流通機能を大きく後退させています。加えて、全石連が騒いで法制化という無茶振りをした「流通経路証明」が、元売-商社間取引で阿吽の義務化をされています。
私には50%元売に30%元売が“馬に乗って”いるように見えます。合わせて「シェア80%元売」です。
1911年の米国で、国内シェア80%超のスタンダードオイル(現エクソンモービル)に対して、連邦裁判所は企業の解体命令を出して、34の会社に分割されました。これがいわゆる独占禁止法の適用第1号です。
行き過ぎた系列化は流通の硬直化を生みます。過去の石油危機に曲がりなりにも対応できたのは、流通市場の融通性でした。東日本大震災時に、COCのPBは大渋滞で警察から怒鳴られながら、困った消費者に供給を続けています。
配給統制会社になった元売は、本当に安定供給を担保できるのでしょうか。
COC・中央石油販売事業協同組合事務局