COCと独立経営<972>補助金は元売直営の販促原資 – 関 匤

1補助金貰えず廃業したPB

ある方から「PBが3月末で廃業したよ」と画像が送られてきました。
店頭に掲示された廃業のお知らせ文です。本稿に一部の画像を添付しました(店名等は消しています)。文章に私が傍線を引きましたが、小さく掲載されて読めないと思いますので以下に紹介します。

廃業したPB店のお知らせの一部。  「(非系列ゆえに) 補助金適用を受けられず…」 と廃業理由が明記されている (傍線筆者)
廃業したPB店のお知らせの一部。
「(非系列ゆえに) 補助金適用を受けられず…」 と廃業理由が明記されている (傍線筆者)

当店は特定のブランドに属さない販売形態のため、政府による燃料油補助金の適用を受けることができず、他店に比べて高い価格で販売せざるを得ない状況となり、お客様には大変なご不便をおかけいたしました。」(傍線筆者)
「補助金適用を受けられなかった」という発言について、補助金を支給する資源エネルギー庁は実態調査を行う必要があります。品確法登録事業者に補助金が平等に下りていなかったら大問題です。次の国会で野党に追及されるでしょう。

2補助金で直営SS増販か

補助金は「概算」で元売に支給されます。後日精算するスキームです。
概算=つかみ金を貰えば“使い切る”インセンティブが働かないでしょうか。
ガソリン市場で元売直営SSの販売シェアは20%に達しています。「補助金投入でガソリン価格を下げる」という大義名分の下、直営SSで増販をかけることは可能です。
現に、ガソリン価格サイトのgogo.gsで全国安値ランキング上位に元売直営SSが並びました。この増販分も補助金が適用されています。言い換えれば、元売は補助金を販促費に使ったと言えます。
直営SSは元売の連結子会社です。つまり元売の連結決算に組み込まれています。従って直営SSの原価は原油です。系列基準仕切で買う系列店やRIM指標で買う非系列店に比べてリットル粗利は巨大です。現金かクレジットで日々膨大なキャッシュフローを上げています。
増販による粗利拡大と、増販数量分に補助金が誘導されたと思います(別に悪いとは言いませんが)。従って、補助金の概算分を元売が自己消化している図式です(別に悪いとは言いませんが)。

3非系列は12日間も補助金タイムラグ

冒頭の話に戻ります。現実に補助金効果は非系列に反映されていませんでした。手元に、阪神地区の基準価格に基づく系列仕切りと阪神RIMラックの非系列仕切りデータがあります。
これで見ると、補助金支給の3月19日の状況はこうです。
① 系列仕切り=前日比▲22.8円
② 非系列仕切り=前日比▲5.5円
補助金支給前日18日にRIMが下がって系列との格差は「12円高」に縮小したのですが、補助金が出たら格差は「29円高」という不可思議な現象です。

しかも19日は、資源エネルギー庁が「系列・非系列問わず、継続的な有無によらず、石油の安定供給という社会的責任のもとで最終需要家に対し偏りなく供給する」ように要請した日です。“偏りなく供給”しなかったために、RIMに補助金効果が反映されなかったのでしょう。
系列が19日に即日で享受した22.8円の補助金効果を非系列が得たのは3月30日です。日別の価格変動を足し算すると「27.5円安」になってはいます。
この12日間のタイムラグは非常に厳しいものがあります。非系列は日々の現金取引ですから非常にきつい状況に陥りました。補助金支給で増販をかけた元売直営とは反対で、補助金が「さらなる減販・減益」の逆効果です。
誰が何をしたらこういうことが起こるのでしょうか?“RIMガ小幅変動で補助金効果ヲ減殺シタノデス”と元売はシレっと言うことでしょう。でも、その大元は元売ですが…。

COC・中央石油販売事業協同組合事務局


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