COCに「ビジネス研究会」という分科会組織があります。ビジネスモデルを研究して、そこからSSあるいは企業としての業態革新あるいは派生ビジネスに展開させようという狙いで活動しています。
先日は宿泊で自動車流通を相当に突っ込んで勉強しました。詳しくは書きませんが、自動車販売の利益構造が理解できて本当に有意義な時間となりました。車販・車検などでさまざまなFCチェーンがありますが、美味しいところは本部が食っていますね。COCは石油の独立系ですが、規模の大小に関係なく車販事業も同時展開している事業者が多いので、これから面白くなりそうです。
自動車に関して、私個人がもっとも関心を持っているのが「カーシェアリング」です。自動車の時間借りです。急速に会員数が増えています。多数の本部がありますが、駐車場事業のパーク24が展開するタイムズプラスが圧倒的な力を持っています。
そして同社のビジネスモデルは、もはや笑うしかないほど見事な仕組みです。
駐車場を無人で管理するインフラは既に存在しています。空きスペースに2、3台のシェアリング車を置くだけです。IC会員カードがキーとなり、カーナビとGPSで走行管理・顧客管理を行います。
レンタカーは六時間とか24時間とか時間の大きな区切りで借りますが、タイムズは15分(216円)単位です。1060円の月会費で75分利用でき、以降は15分単位で課金されます。給油と洗車は車備え付けの専用カードでタイムズが負担し、それぞれ15分ずつ利用時間が手数料としてプレゼントされます。その他多くの料金プランが提案され、利用者はTPOで使い分けます。走行と車両状態を把握しているので、不具合や事故を本部が感知して速やかにレスキューを送る体制も構築しています。ナビとスマホを介して、自動車産業初の双方向型顧客管理です。AI、IOTにも一番近い場所にいる業態と言えます。
利用者が増えるほどに裏ワザがアメーバのように増殖し、それが新たな会員を呼び込みます。零時から朝9時のパック2600円はタクシーより格安のため、車で帰宅して翌朝返す。あるいはホテルより安いので酔っ払いが車中泊することもあるそうです。
タイムズは車両1台に48人の会員です。会費を掛けると、動かなくても一台毎月5万円の収入です。コストコのようなモデルです。
シェアリング協会データによると、2002年頃から事業が始まり、10年は閑古鳥でした。ところが2011年から年間何十万人単位で会員が増加しています。この時期は原油100㌦が続いていました。ガソリン高とシェア増加には強い相関関係がありそうです。シェアリングは、免許証を持つ人が48人で1台を乗りまわしていることです。確実にガソリン消費に影響します。
私は、来年夏にタイムズ会員100万人になると推定していましたが、実際には今年度内に突破する勢いです。シンボリックな数字なので、大々的に報じられ認知が一気に拡大するでしょう。
その時、消費者がガソリン高値感を持っていたら、シェアリング潜在ニーズ爆発の導火線になる可能性大です。
COC・中央石油販売事業協同組合事務局