遅ればせながら、集中豪雨に見舞われた西日本の皆様にお見舞い申し上げます。
COCの会員に聞いたら、残念ながら2社で被害が出ていました。1社はSSが水没、もう一社は冠水と泥流を被っていました。人的被害が無く当事者が案外元気だったのが救いです。これを書いている時点で、死者が200人を超えました。大惨事です。
「再生エネより山林間伐に金を使え!」と叫びたくなります。以前から土砂崩れのたびに気になっていたのが、崩れた山林です。雑木林で手入れされていないのです。
山は定期的に間伐して木を間引きしながら育てます。間引きすることで立木1本当たりの空気と日照が確保されてよく育ちます。育つと根が深く、広く張り巡らされます。
山というのは水分を含んだ土のスポンジです。木が育つほどに根が網のように山を大きくグリッドして、豪雨時には根が強力なポンプとして水を吸い上げます。
雑木林は根が浅く表面だけをカバーしているので、豪雨時に地べたごと滑り落ちしてしまうのです。
国土の七割を占め、そのすそ野から河川流域に人口が密集する国です。砂防工事と並行して植林と間伐で山の保水機能を強化すべきです。これは半世紀仕事になります。だから今から本格的に着手すべきです。
それと山主の責任です。山主を自覚していない人が多すぎます。資産価値が低すぎるからですが、それなら国が召し上げてもいいと思います。同時に山主のモチベーションを高めるために、国産木材の買取をやってもよいでしょう。再生エネルギーなんかやめちまえ!というのは暴論でしょうか。でも人命に直結する砂防対策と太陽光を天秤に掛ければ、優先順位はどっちにあるでしょうか。
暴論ついでに、薪など木材を燃料にどんどん使えばよいのです。排出されるCO2は森林の炭酸同化作用を活発化して、酸素が吐き出されて空気がきれいになりますから。
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さて、1960年、大阪の外資系SS実績表を見ています。(私以外に関心持つ人いないでしょう)
この年の乗用車台数は全国で四四万台。現在は6100万台です。日本の自動車産業規模は約60年で約140倍になったわけです。SS数は8250カ所、現在が3万1千カ所です。
つまり、1SS当たり乗用車台数は53台です。1カ月五回来店しても「1日8台」。
資料のSSの燃料油は29㌔㍑ですが、うち5㌔㍑が混合油なのでバイクが多かったのですね。今のベトナムに似ています。一方「大口販売」で48㌔㍑売っています。バス、運輸、タクシー等の自家用SS納入の方が相当量あったようです。
さて油外です。オイルは1.5㌔㍑、FO比は5.2(!!)です。オイルは12万円、TBASPで11万円の粗利益です。当時の大卒初任給が1万1千円でした。現在に換算するとオイルTBA粗利で約400万円です。
また、作業で20万円、やはり400万円ほど稼いでいます。1600㌔㍍ごとの整備点検、パンク修理、洗車ポリッシングが行われています。その他、廃品販売や商品小売り含めて、店頭29㌔㍑のSSが今なら900万円相当の油外収益をあげていたことになります。
昔は凄かったね、と言いたいのではありません。1600㌔㍍ごとの点検やパンク修理に象徴されるように、当時の車は壊れるものだったのです。SS来店時に必ず何らかの不具合補修や補充を必要としたのです。その結果、給油と油外販売の頻度が一致していた、そういう時代があったのです。
現在、車の性能と道路舗装でパンクは激減し、オイル漏れは見なくなりました。そして軽自動車の増加、シェアリング、ウェブ社会等々運転者の姿も変わりました。
給油と油外頻度が一致した時代はすでに歴史となり、80年前後にはミスマッチが顕在化していたと思います。セルフ解禁以降はそれに拍車が掛かっていると思います。独立系の知恵を駆使した、時代に適合したカーケアサービスを研究しているところです。
COC・中央石油販売事業協同組合事務局